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2022 Fiscal Year Research-status Report

プラスチック製廃棄物の小型水蒸気ガス化処理装置開発に向けた基礎研究

Research Project

Project/Area Number 21K12343
Research InstitutionNagasaki Institute of Applied Science

Principal Investigator

中道 隆広  長崎総合科学大学, 工学研究科, 准教授 (50555472)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywordsプラスチック / ガス化
Outline of Annual Research Achievements

プラスチック原料のガス化実験を行う簡易ガス化装置を構築し、鉄製炉心管を用いたプラスチックのガス化を実施した。実験条件としては前年度のセラミック管炉心管と同様に、ガス化原料としてPSビーズ5gを炉心管へ充填した。ガス化雰囲気はガスの流量と生成ガスの変化を確認するために二酸化炭素を1.0L/minと0.5 L/minの条件でそれぞれ実験を行い、比較対象として窒素雰囲気1.0L/minでも実験を行った。それぞれのガス化温度は800℃とし、ガス化実験で得られたガスは1分ごとにテドラーバックにサンプリングを行い、生成ガスに含まれる成分を、GC-2014を用いて分析を行い、組成成分を測定した。
CO2素雰囲気(1.0L/min)の分析結果では、ガス化7~15分が最も可燃性ガスが発生している量が多く、その時間帯が最もガス化が起こっていたと考えられ、実験開始8分の可燃性ガスが発生し組成としてH2:10.2%、CO:22.1%、CH4:0.13%であった。
CO2素雰囲気(0. 5L/min)では、ガス化6~15分が最も可燃性ガスが発生している量が多いが、CO2素雰囲気(1.0L/min)の分析結果と比較すると可燃性ガスの発生量が減少し、H2:21.7%、CO:5.2%、CH4:0.10%となった。これは、ガス化時に熱分解したPSビーズと十分に反応するだけのガス化剤の量が不足していたためであると考えられる。
比較対象として窒素雰囲気(1.0L/min)で実験を行った結果、ガス化6分~10分が最も可燃性ガスが発生している量が多いが、窒素雰囲気は二酸化炭素雰囲気と違い一酸化炭素はほとんど発生しておらず、水素が主として発生する傾向となり、H2:7.1%、CO:13.6%、CH4:0.10%と二酸化炭素雰囲気でのガス化に比べると可燃性ガスの割合は少なったため、今後の実験でガス化メカニズムの解明を継続する。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

実験当初は簡易ガス化装置の反応菅としてセラミック素材を利用し原料であるプラスチックサンプルはガス化剤と熱エネルギーによって完全にガス化することを確認し、ガス化によって発生したガスの採取にも成功した。採取後のガスの温度が低下すると、テドラーバッグ内に黄色い油脂成分らしき液体が確認することができた。
しかし、生成ガス分析結果を行ったところ、発生ガスから酸素、窒素、一酸化炭素、メタン、二酸化炭素の5種類の成分が検出された。通常では酸素および窒素は検出されないはずであるが、ガス化時間が経過するごとにO2、CO2の濃度が減少しているのに対して、CO、CH4の濃度が増加している。これは、反応時間が経過するにつれてPSビーズに含まれるCとガス化剤であるCO2が反応し、CO、CH4が発生したからだと考えられるが、セラミック素材の多孔質素材から空気が混入していると考えられ、炉心管の再選定を行い鉄製炉心管へ変更し、実験に遅れが生じた。

Strategy for Future Research Activity

本研究においてPS、PE、PP、PC、PETの基礎実験を行ない、その結果を基にガス化装置の設計、作成しガス化実験を行ない、生成ガスのガス分析によりガス化実験に用いる炉心管から空気が混入していることが判明し、改良を行った。また、ガス化実験時や分析時の課題点を挙げ、その対策を行い、より精度の高いガス化実験が行えるようになった。そこでガス化剤の条件を変えガス化実験分析を行い、分析結果を比較し、二酸化炭素雰囲気では一酸化炭素を主とする可燃性ガス、窒素雰囲気では水素を主とする可燃性ガスが発生することが明らかとなった。しかし、まだ試行回数が少なく確証的なことが言えない。今後の課題としてガス化実験の条件をガス化剤のみならず、様々な条件で行い、ガス化メカニズムを解明する必要がある。

Causes of Carryover

当初の計画では、簡易ガス化装置の改良に費用が必要となり、装置の構築費用が多くなった。
そのため、次年度ではガス分析必要な物品の購入とGC装置の消耗品を購入する。

  • Research Products

    (2 results)

All 2022

All Journal Article (1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 高温水蒸気ガス化を目的としたプラスチック原料の物性調査2022

    • Author(s)
      中道 隆広、山口 稜、岩永 和真、本田 龍星、石橋 康弘、村上 信明
    • Journal Title

      廃棄物資源循環学会研究発表会講演集

      Volume: 33 Pages: 329~

    • DOI

      10.14912/jsmcwm.33.0_329

  • [Presentation] 高温水蒸気ガス化を目的としたプラスチック原料の物性調査2022

    • Author(s)
      中道 隆広、山口 稜、岩永 和真、本田 龍星、石橋 康弘、村上 信明
    • Organizer
      廃棄物資源循環学会研究発表会講演集

URL: 

Published: 2023-12-25  

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