2023 Fiscal Year Annual Research Report
呼吸動態の力学的な理解にもとづいた呼吸器疾患の新規診断法の開発
Project/Area Number |
21K12637
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
木島 貴志 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (90372614)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 英輔 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (00774613) [Withdrawn]
間瀬 教史 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 教授 (40454730) [Withdrawn]
祢木 芳樹 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (70814515)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 肺コンプライアンス / IPV / 食道カテーテル / 口腔内圧 / 食道内圧 / 胸腔内圧 / 気道抵抗 |
Outline of Annual Research Achievements |
肺コンプライアンスは肺の拡張のしやすさの指標で、換気量と胸腔内圧の変化量の比(L/cmH2O)で表わされる。新型コロナウイルス感染などによる間質性肺炎や肺線維症では、肺の拡張が障害されて肺コンプライアンスが低下し、肺気腫では肺コンプライアンスが上昇し、慢性気管支炎や気管支喘息の非発作時には肺コンプライアンスはあまり変化しないとされている。 我々は、閉鎖式高頻度人工呼吸器(一般名Intrapulmonary Percussive Ventilator、以下IPV)を用い、気流量と口腔内圧のデータから胸腔内圧を推定して肺コンプライアンスを算出する方法を考案した。いわゆる高頻度換気療法に使用される装置は開放型が一般的であるが、IPVは高頻度(1-5Hz)でジェットを送気する際に排気弁が閉鎖するしくみになっており、臨床現場では肺末梢の排痰補助に使用されている。 我々は、IPV施行中の気流量と口腔内圧、食道内圧を同時計測し、口腔内圧の変化から胸腔内圧を推定できることを見出した。 さらに、前年度までに、健常被検者において食道カテーテル法で測定した肺コンプライアンス値とIPV法により口腔内圧から推定された胸腔内圧を用いて算出した肺コンプライアンス値および気道抵抗の比較により、IPV法の妥当性を確認した。 最終年度は、実際の種々の慢性呼吸器疾患患者において、本装置を用いてデータ取得を開始したが、コロナ感染が依然蔓延しており、クラスターが発生する状態で、症例集積がまだ継続中であり、目標症例数に達していない。
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