2023 Fiscal Year Research-status Report
EPA介護人材のキャリア形成過程:「キャリア構築理論」にもとづくライフストーリー
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21K13043
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤原 京佳 大阪大学, 国際教育交流センター, 特任講師 (50804853)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | キャリア / 自己構成 / EPA介護福祉士 / ライフストーリー / キャリア構築理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「キャリア構築理論」にもとづきEPA介護福祉士の自己構成としてのキャリアがどのように構築されているかをライフストーリーインタビューによって探るものである。令和5年度は1)協力者Aのライフストーリーの再分析と論文執筆、2)協力者Bのライフストーリーの作成・分析を行った。 1)協力者Aのライフストーリーの再分析を行い、その成果を「あるEPA介護福祉士の「自己構成」としてのキャリアーライフストーリーに見られるナラティブ・アイデンティティを通してー」として2023年12月発行の『言語文化教育研究』誌に発表した。協力者AはEPA介護福祉士のモデルストーリーとは距離をとりながら、複数のナラティブ・アイデンティティを構築していることが明らかになった。また、協力者Aのライフストーリーからは、社会および研究者自身がEPA介護福祉士をめぐるモデルストーリーを期待していたことも示唆された。以上をふまえ、EPA介護福祉士に対する期待が、EPA介護福祉士でなければならないという規範になりうる危険性を指摘した。 2)協力者Bの分析を進める中で、日本語能力試験と介護福祉士国家試験に対する語りの違いが浮上してきた。協力者Bはどちらの試験にも合格していたが、それぞれについて対照的な感情を抱いていた。これらの意味づけの相違が何にもとづくものなのかについては、現在までのデータからは明らかにすることができなかった。分析を進めるためには更なるインタビュー調査を実施する必要があると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
協力者Aの論文執筆・推敲に時間がかかり、協力者Bのライフストーリーの作成が予定通りに進まなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
協力者Bの日本語能力試験と介護福祉士国家試験に対する異なる感情・態度が何にもとづくものなのかについて協力者Bに再度インタビューを実施し、分析を進める予定である。その後、その成果をまとめ発表したいと考えている。
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Causes of Carryover |
協力者Bの分析を進める中で再度インタビュー調査を実施する必要が生じたため、B氏への研究協力の謝礼に使用する予定である。また、成果発表等で学会参加も予定しており、旅費および参加費を使用する予定である。
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