2023 Fiscal Year Annual Research Report
Empirical analysis on relationships between misinformation and disinformation in cyberspaces and socioeconomic situations
Project/Area Number |
21K13278
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
澁谷 遊野 東京大学, 空間情報科学研究センター, 准教授 (20847917)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 偽誤情報 / 情報流通 / デジタル空間 / ソーシャルメディア / フェイクニュース / 生成系AI |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、デジタル空間の言説等の情報流通と社会経済状況との動的な関係性を大規模データを用いて実証的分析するものである。実社会とデジタル空間の相互のつながりがかつてなく深まり、変容している社会経済構造をどのように分解し捉えられるのかをデジタル言説に着目して検討を行う。特に社会経済的な影響が指摘されている偽誤情報等を中心としたデジタル言説をめぐる社会課題に対して、どのような対応が考えうるのかなど、政策検討の基礎的な資料提供を行うことを目指した。
この目的に従い,2023年度は,2つの研究をおこなった。第1に,国内のCOVID-19や災害を事例に、デジタル空間での偽誤情報の流通状況の把握を行なった。特に、閲覧数に応じた広告収益分配プログラムなど本研究開始以降のプラットフォーム事業者による仕様変更など情報流通をめぐる環境が変化したことから、プラットフォーム側の仕様変更に伴うデジタル空間の情報流通状況やその特徴を明らかにした(澁谷他 2024)。第2に,生成系AIによる偽誤情報流通の現状や課題に着目して、大規模なオンライン実験調査を米国で実施した(Shibuya et al. 2024; Shibuya et al. in reveiw)。実験では、生成系AIによって作成された動画に対する人々の認識や、動画の正誤判断状況についてや、人々の社会経済的背景やリテラシー、AIに対する認識度による差異を明らかにした。これらの研究成果をもとに国内外の関連研究に取り組む研究者との意見交換やワークショップを行うことにより結果の解釈や,政策的示唆に関する幅広いフィードバックを得たほか、デジタル空間情報流通状況に関する政策的な提言を行なった。
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Research Products
(7 results)