2023 Fiscal Year Research-status Report
A Comprehensive Study of the Relationship Between Islam and Art Education
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21K13582
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
箕輪 佳奈恵 筑波大学, 芸術系, 特任助教 (60784915)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 美術教育 / イスラム / 文化的多様性 / イギリス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「美術教育を通したイスラムの実践」事例を、それに関係する人々の多様性も踏まえながら網羅的に収集し、現象を構成する要素とイスラムの教義とを対応させて構造化し理論構築することによって、イスラム文化と美術教育との関連性を包括的に明らかにすることを目的とする。タブー視されがちであったイスラムと美術教育との従来の関係性を超克し、ムスリムの子どもたちに適した美術教育の実現を見据え、イスラムの習慣や価値観に根ざした美術教育の基盤となる成果を提示することを目指す。 令和4年度1月末から国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))「イギリスの美術教育における文化的多様性の解明:特にアンチレイシズムの視座から」実施のためのイギリス滞在を続けているが、基課題である本研究課題を並行して進めている。令和5年度は、ロンドン市内の美術館・博物館での資料収集を継続しながら、アンチレイシズム的美術教育に関わるワークショップや研究プロジェクトに参加してきたが、そこでイスラムやムスリムに関連したアートを絡めた取り組みを目にする機会も多かった。 こうした知見を念頭におきつつ、次年度からは滞在先のロンドン市内における中学校での調査に取り掛かる。アンチレイシズム的美術教育実践の調査をベースとしながら、そのうちのイスラムに関連した要素を抽出する分析作業を進めることで、本研究課題の研究目標達成につなげたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国際共同研究強化(A)に伴う海外での長期滞在により、基課題となる本研究を順調に進めることが出来たため。
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Strategy for Future Research Activity |
ロンドン市内の中学校における美術科授業の調査を実施し、本研究課題と国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))の双方を相関させながら発展させる。従来、ムスリムによるムスリムのための美術教育を研究対象としていた本課題を、広義のイスラム美術を介した美術教育実践も含めた調査に拡大させ、より多様な視点からの検討を進めたい。
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Causes of Carryover |
研究開始から数年に渡りコロナ禍に見舞われ、研究目的の海外渡航が出来なかったことが現在も影響しているため。
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