2023 Fiscal Year Research-status Report
Theoretical study of cluster structure of light nuclei based on realistic nuclear force
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21K13919
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
福井 徳朗 九州大学, 基幹教育院, 助教 (40757118)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | クラスター構造 / 核力 / カイラル有効場理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
原子核の中でも特異的に安定な4He(アルファ粒子)は、原子核の構成粒子として振る舞うことがあり、そのような原子核の状態をアルファクラスター構造と呼ぶ。アルファクラスター状態における大きな課題の一つが、クラスター状態が核力(2核子間および多核子間に働く相互作用)の観点から十分に理解されていない点である。
前年度から引き続き、本年度はカイラル有効場理論で導出される非中心力がクラスター構造にどのように寄与するのかを明らかにするために、スピンアイソスピン飽和を仮定しない一般的な模型の定式化を試みた。定式化をまとめた論文は Prog. Theor. Exp. Phys. 2023, 073D03 (2023) [https://doi.org/10.1093/ptep/ptad087] に掲載された。
さらに、核力のうち、3つの核子に働く3核子力の性質を分析した結果を Prog. Part. Nucl. Phys. 134, 104079 (2024) [https://doi.org/10.1016/j.ppnp.2023.104079] に発表した。3核子力が原子核の安定性にどのように寄与するのかを明らかにした点で、本研究対象であるクラスター構造と密接に関係している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究手法を一般化した内容を論文として出版することができたことは重要な成果である。これは原子核クラスターを核力から理解するための重要なステップであり、また、当初の研究計画に沿った進展である。さらに、3核子力と原子核の安定性について知見を得られたことは、今後のクラスター物理の研究をさらに発展させる成果である。
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Strategy for Future Research Activity |
定式化をまとめた論文を基礎として、中性子とアルファ粒子の散乱状態を反対称化分子動力学模型によって計算する。これは、散乱観測量を通して、核力とクラスター現象の関係を明らかにするものである。また、既に存在する他の核子多体計算との比較、つまりベンチマークも同時に行う。
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Causes of Carryover |
次年度使用額として4,238円が生じた理由は、当該年度予算を想定以上に旅費に費やしたために、想定していた物品を購入できなくなったためである。次年度は旅費、論文のOpen Access Fee, 消耗品などに予算を使用する計画である。
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Research Products
(7 results)