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2022 Fiscal Year Research-status Report

地盤物性の空間的な不均質性を考慮した山岳トンネル掘削時のトンネルの安定性評価

Research Project

Project/Area Number 21K14382
Research InstitutionMatsue National College of Technology

Principal Investigator

岡崎 泰幸  松江工業高等専門学校, 環境・建設工学科, 講師 (50806081)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords山岳ト ンネル / 空間的不均質性 / 地盤物性 / 数値解析 / 安定性評価
Outline of Annual Research Achievements

現状の数値解析を用いた山岳トンネルの設計は,地盤物性の空間的な不均質性がトンネル掘削時のトンネルの安定性に及ぼす影響に関するリスク評価を十分にできていないと考えられる.実際に近年でも,数値解析による設計時の地盤物性の空間的な不均質性に関する評価不足が山岳トンネルにおける事故発生要因の1つとなっている場合があるのが現状である.
そこで,本研究では,数値解析による山岳トンネルの設計の高度化に寄与することを目的とし,今年度も昨年度に引き続き,地盤物性の空間的な不均質性を確率場理論に基づいて考慮したトンネル掘削解析のモンテカルロ・シミュレーションを実施した.そして特に,不均質地盤における設計条件(主に,初期応力)の違いがトンネル掘削時のトンネルの安定性(特に,トンネル周辺の最大せん断ひずみ)に及ぼす影響について評価した.
その結果,現在において一般的に用いられている均質地盤を模擬した数値解析では,多くのケースでトンネル周辺の最大せん断ひずみを過小評価している可能性があることが明らかとなった.また,山岳トンネルの安定性の指標となる限界せん断ひずみと,各解析ケースで得られたトンネル周辺の最大せん断ひずみの最大値を比較することで,各解析ケースにおいて限界せん断ひずみを超過する確率(トンネル崩壊のリスク)を示した.これにより,地盤の不均質性の程度(地盤物性値の変動係数と空間的な変動のスケール)と初期応力の値によってはトンネル崩壊のリスクが高くなる可能性があり,特に地盤物性値の変動係数と初期応力が大きくなるほど,そのリスクが高くなりやすい傾向にあることがわかった.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究代表者とその研究室に所属する学生らによって,地盤物性の空間的な不均質性を考慮したトンネル掘削解析シミュレーションを,昨年度に引き続き数多く実施した.また,研究協力者(山口大学)と定期的に打ち合わせを行い,解析ケースや数値解析結果の評価に関する議論などを十分に実施した.これらの活動により,本研究課題の内容を学術論文としてまとめることができ,本研究課題を進展することができている状況である.
また,他の研究協力者から,地盤物性の空間的な不均質性を数値解析に反映できる多くの現場データを入手することができており,昨年度に引き続き今年度も,実地盤の地盤物性の空間的な不均質性を考慮したトンネル掘削解析シミュレーションを検討している.実地盤の不均質性の考慮について課題は多々あるものの,数値解析シミュレーションだけではなく,現場データの数値解析への考慮についても並行して検討できているため,本研究課題をおおむね順調に進展することができているといえる.

Strategy for Future Research Activity

今後は,数値解析による山岳トンネルの設計の高度化に寄与するために,解析ケース数をさらに増やして解析を実施して,地盤物性の空間的な不均質性がトンネル掘削時のトンネルの安定性に及ぼす影響を総合的に評価し,その影響に関する汎用的な指標を提案する予定である.また,実地盤の地盤物性の空間的な不均質性を考慮したトンネル掘削解析シミュレーションについても引き続き検討し,トンネル掘削解析時におけるトンネル周辺地盤の挙動予測の向上などを図る予定である.これらの実施により,数値解析を用いたトンネル設計時において地盤物性の不均質性を考慮することが可能となる.
本研究課題を今後より推進していくためには,解析の迅速な実施や解析ケースの十分な検討,解析結果の評価と結果に基づく次なる方針などが重要となる.そのため,研究代表者の研究室に所属する学生らと密に連携するのはもちろんであるが,本研究課題が予定通りに進まない場合には,研究協力者らと十分に打ち合わせを行い,助言などを受ける予定である.

Causes of Carryover

今年度は国際学会への移動費が想定より安価であったため,特に旅費分が余り次年度使用額が生じた.次年度も国際学会に参加する予定であるが,移動費(燃油代等)の高騰が見込まれるため,余った旅費分と次年度分として請求した助成金をその移動費に当てていく予定である.

  • Research Products

    (3 results)

All 2022

All Journal Article (1 results) Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Journal Article] Effects of Spatial Heterogeneity of Geomechanical Properties on Tunnel Behaviour during Tunnel Excavation2022

    • Author(s)
      Yasuyuki Okazaki, Hisashi Hayashi, Shingo Morimoto, Makoto Ohya, Masato Shinji
    • Journal Title

      Proceedings of the ITA-AITES World Tunnel Congress 2022

      Volume: P1053 Pages: -

  • [Presentation] Effects of Spatial Heterogeneity of Geomechanical Properties on Tunnel Behaviour during Tunnel Excavation2022

    • Author(s)
      Yasuyuki Okazaki, Hisashi Hayashi, Shingo Morimoto, Makoto Ohya, Masato Shinji
    • Organizer
      ITA-AITES World Tunnel Congress 2022
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] 地山物性の空間的な不均質性が切羽の安定性に及ぼす影響2022

    • Author(s)
      岡崎泰幸、福間友哉、大屋誠、森本真吾、林久資、進士正人
    • Organizer
      土木学会第77回年次学術講演会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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