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2021 Fiscal Year Research-status Report

ブームスプレーヤによる無人防除のための自動散布高さ制御システムの開発

Research Project

Project/Area Number 21K14944
Research InstitutionObihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine

Principal Investigator

藤本 与  帯広畜産大学, 畜産学部, 助教 (00895386)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2025-03-31
Keywordsブームスプレーヤ / 大規模畑作 / 散布高さ / 無人作業 / ドリフト
Outline of Annual Research Achievements

本研究では北海道の大規模畑作地帯で利用される大型のブームスプレーヤを対象として、農薬の均一散布を実現するために散布高さ検出装置を開発する。ブームから作物までの散布高さは、複数の光位置検出素子(PSD:Position Sensitive Detector)を利用して検出する。PSDは発光部と受光部からなり、発光部から照射された860nmの赤外線光が対象となる葉面や茎葉を経て反射して受光部で検出される。これまでにPSDを3個利用した試作機の開発を進めてきたが、隣接するPSDのスポット光が重なり合うことで干渉ノイズが発生し、装置の寸法を小型化できない課題があった。そこで、令和3年度は以下に示す要素技術を開発して検出装置の小型化を目指した。
1)PSDの取り付け角度と干渉範囲について:従来の試作機では平面上にPSDを配置していたため互いのPSDの取り付け距離を10cm程度離して取り付ける必要があった。しかし、角度をつけてPSDを配置することで検出装置の小型化を試みた。具体的には、検出装置の中心部分から外側に向けて6度傾けて配置することで干渉することなく、PSDの取り付ける間隔を3cm程度にできることを確認した。
2)検出装置の回路設計:検出装置の小型化を実現するためには、3個のPSDから出力される電圧値をデジタルデータに変換する機能と、適切な散布高さを算出するマイコンによる演算処理が必要である。検出装置の小型化に合わせて専用のプリント基板を開発した。検出装置から出力されるブームから作物までの検出値は、開発した基板によってCAN(Controller Area Network)プロトコルと4-20mAの電流ループで出力することが可能である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

令和3年度の計画では①PSDの取り付け角度と干渉範囲の特定、②検出値の演算処理を行うプリント基板の試作、③検出装置の外装設計を実施して検出装置の完成を見込んでいた。しかし、コロナウイルス感染症の影響により設計に組み込む予定であった電子部品の調達が困難になり、設計変更を余儀なくされた。そのため②の回路設計と試作が当初の計画より遅れ、③の外装設計が今年度に完了しなかった。計画はやや遅れているものの、検出装置の開発計画では試作機の設計と製作を繰り返し行うことを想定して2年間の開発期間を当初から設けていたため、来年度に向けた研究計画に大きな変更はない。
また、検出装置の開発と並行して、検出アルゴリズムの開発に向けた走行台車の製作を進めている。走行台車は屋外の実験圃場内に栽培したコムギやバレイショなどの代表的な畑作物を対象に、開発した検出装置の検出値と実測した散布高さを比較してアルゴリズムの評価を行うために利用する。

Strategy for Future Research Activity

令和4年度は以下の開発項目を実施する予定である。
①検出装置の外装設計:これまでに試作した検出装置と比較して体積比で50%の削減を目標に設計と試作を行う。昨年度に引き続き、コネクタやIC部品などの価格高騰や調達を考慮して、代替案を立てて年内の完成を目指す。
②走行台車による作物列の検出実験とアルゴリズム作成:小型化した検出装置の動作確認として、実際の作物列を対象に散布高さの検出精度の評価を行う。実験では走行台車を用いて定量的に評価を行うために、一定の散布速度で計測を行う。また、比較として超音波センサの検出値と比較して、開発した検出装置の検出特性を明らかにする。北海道では冬季の作物列実験を屋外で実施できないため、上記の検出装置の設計に遅れが生じる場合は、屋内で作物を栽培することや模擬作物を作成して対応する。
③ブームの展開・収納動作の自動化:検出装置の開発と並行して、無人散布を実現するブームスプレーヤの自動ブーム制御システムの開発を行う。具体的には、枕地でのブームの収納と展開を自動化する要素技術を開発する。

Causes of Carryover

当初の計画では、実験装置の電源に利用する発電機の購入を予定していた。しかし、検出装置の試作開発に不可欠な3Dプリンタが故障したことにより発電機の購入を断念し、開発を進める上で重要度の高いプリンタの購入に当てた。プリンタは発電機より安価であったので残額が生じた。当該年度の残額は次年度の物品費に使用する予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2022 2021

All Presentation (3 results)

  • [Presentation] 光位置検出素子を利用したブームスプレーヤの散布高さ検出装置の開発 ―可搬型走行台車による作物列の検出精度の評価―2022

    • Author(s)
      藤本与,佐藤禎稔
    • Organizer
      日本農作業学会春季大会第57回講演会
  • [Presentation] ブームスプレーヤのためのPSDを用いた散布高さ検出装置の開発 -走行台車を利用した検出値と実測値の比較実験-2021

    • Author(s)
      藤本与,佐藤禎稔
    • Organizer
      第79回農業食料工学会年次大会
  • [Presentation] ロボットトラクタによるバレイショ栽培での無人作業への挑戦2021

    • Author(s)
      佐藤禎稔,藤本 与,船引邦弘,黒田晃史,白藤大貴,杦田士郎
    • Organizer
      第79回農業食料工学会年次大会

URL: 

Published: 2022-12-28  

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