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2022 Fiscal Year Research-status Report

Improvement of MALDI detection sensitivity by promoting desolvation of matrix clusters

Research Project

Project/Area Number 21K15242
Research InstitutionNigata University of Phermacy and Applied Life Sciences

Principal Investigator

城田 起郎  新潟薬科大学, 薬学部, 助教 (20714900)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
KeywordsMALDI / 脱溶媒和 / マトリックスクラスター / 質量分析
Outline of Annual Research Achievements

今年度は、前年度に構築したMALDI-IR-MS装置に独自に製作した真空紫外(VUV)光発生用チェンバーを設置し、MALDI-IR-VUV-MS装置を完成させた。しかしながら、この装置を稼働させるためには、3台のNd:YAGレーザー光が必要となるが、このうち、VUV光を発生させるために用いる予定であった1台のNd:YAGレーザーが故障の為稼働が出来ず、MALDI-IR-VUV-MS装置を用いた測定ができない状況が続いた。一時、故障の原因の一部が判明し復旧のめどが立ったと思われたが、結果としては、Nd:YAGレーザーの共振器からの出力は回復したが、増幅器を用いた出力が回復できなかった。Nd:YAGレーザーの共振器のみでレーザー光を発振することも可能であるが、VUV光を発生させるほどの出力ではない為、このレーザーを用いて、VUV光発生用チェンバーからVUV光を発生させることは現状では困難である。そして、現在もあらゆる対策を検討しているが増幅器自体を復旧できる見込みが低い状況である。この為、研究計画の進行が大幅に遅れ、研究実施期間の延長を申請するに至った。しかしながら、VUV光発生用の故障中のレーザーの共振器の出力は、MALDIレーザー用として用いるのであれば、必要な出力が確保できる為、次年度は、今年度共振器の出力のみ復旧したレーザーをMALDIレーザー用として用い、当初計画ではMALDIレーザーとして用いる予定であったNd:YAGレーザーをVUV光発生用レーザーとして用いることができるか、独自製作した既設のVUV光検出器を用いて確認する等の検討を行い、MALDI-IR-VUV-MSによる実験スキームを再構築することで、この実験スキームを用いた測定を目指す予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

今年度、MALDI-IR-VUV-MS装置自体は設置できたが、この装置を使用する為に必要な3台のレーザーのうち1つのレーザーの出力が完全に回復せず、結果として、研究計画の進行が大幅に遅れ、結果として、研究実施期間の延長を申請するに至った為、総合的に判断し「遅れている」とした。

Strategy for Future Research Activity

次年度は、以下の計画で研究を遂行する予定である。
(1)MALDI-IR-VUV-MS装置を用いた実験スキームの再構築
MALDI-IR-VUV-MS装置に、独自製作した既設のVUV光検出器を設置した上で、当初計画では、MALDIレーザーとして用いる予定であったNd:YAGレーザー光をVUV光発生用チェンバーに入射しすることで、VUV光発生の最適条件を確定する。その後、増幅器が故障中のNd:YAGレーザーの共振器の出力だけを用い、MALDIイオン化の最適条件を確定する。さらに、これらの条件が確定次第、MALDI-IR-VUV-MS装置からVUV光検出器を取り外し、IRレーザーの入射経路を確保した上で、MALDI-IR-VUV-MS装置を用いた実験スキームを再構築する。そして、この実験スキームを用いて、試料のマトリックスクラスター(Mn)からの脱溶媒和を促進し、脱溶媒和した中性試料を真空紫外光による一光子イオン化を用いて検出することを試みる。
(2)MALDI-IR-VUV-MS法を用いたマトリックスクラスター(Mn)内部から脱溶媒和した中性試料のイオン化検出
MALDI-IR-VUV-MS装置を用いて、VUVレーザー光照射による試料由来イオン信号が最も強くなるよう、MALDIレーザー、IRレーザー、VUVレーザー間の遅延時間を最適化し、通常のMALDIイオンとして検出されるプロトン化試料と、VUVレーザー光照射により検出された試料由来イオン信号を比較し、MALDI法とMALDI-IR-VUV-MS法の試料検出感度を比較し検証する。なお、MALDI-IR-VUV-MS法を用いても、Mnからの試料の脱溶媒和を確認できる実験結果が得られなかった場合は、IRレーザー光として再生増幅近赤外フェムト秒レーザー光を用いること等も検討する。

Causes of Carryover

本研究に使用する3台のレーザーのうち、1台のレーザーが故障から完全に復旧できず、MALDI-IR-VUV-MS装置を用いた実験スキームによる測定が実施できなかった為、試料代等に確保していた資金が余り残額(52,600円)が生じた。次年度、MALDI-IR-VUV-MS装置を用いた実験スキームが再構築され次第、試料代等に用いる予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2022

All Presentation (3 results)

  • [Presentation] 紫外レーザーポストイオン化法を用いたMALDI法における相爆発過程の検証2022

    • Author(s)
      城田起郎、星名賢之助
    • Organizer
      第70回質量分析総合討論会
  • [Presentation] MALDI結晶のレーザー過加熱と相爆発の検証:レーザーポストイオン化によるアプローチ2022

    • Author(s)
      城田起郎、星名賢之助
    • Organizer
      第16回分子科学討論会
  • [Presentation] MALDI法における定量性に関する研究: アミノ酸を用いた新たな熱平衡モデルの提案2022

    • Author(s)
      小林 将文、城田 起郎、柘植 雅士、星名 賢之助
    • Organizer
      日本化学会 第103春季年会

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Published: 2023-12-25  

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