2021 Fiscal Year Research-status Report
パーキンソン病の疾患予後に影響を与える非運動症状の新規実用的評価方法の確立
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21K15685
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
上木 英人 横浜市立大学, 附属病院, 講師 (10347320)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 血圧変動 |
Outline of Annual Research Achievements |
パーキンソン病は多彩な非運動症状を呈し、しばしば運動症状とは独立して生活の質を低下させる大きな一因となっている。自律神経障害に伴う血圧変動は、抑うつ、睡眠障害のリスクと相関し、経時的には認知機能障害と相関する可能性が示唆されている。一方、REM睡眠期行動異常症も認知機能障害のリスクであると指摘されている。これらを、24時間血圧測定、および携帯型2チャンネル脳波・筋電計を外来で施行して評価する。さらには各種非運動症状に関する問診票を用いて非運動症状を評価する。これら非運動症状のマーカーを経時的に追うことで、認知機能障害をはじめとする生活の質や予後に強く影響を与える因子を同定する。合わせてPDにおけるMRI画像解析に関して、voxel-based morphometry(VBM)による脳萎縮の定量解析やDTI(拡散テンソル画像)を用いた白質変性の評価を用いる。すべての被検者に対して1年後、2年後のフォローをおこない、QOL、および認知機能障害に強く影響を与える因子を同定する。 2021年度は、主に外来通院中のパーキンソン病患者に参加を募集する段階であり、十分な評価をおこなうだけのデータは収集できていない。このため、個別のデータで検討をおこなっている。自律神経障害の問診票で自覚症状についてあまり訴えのない患者でも、24時間血圧測定を測定することで血圧変動を初めて捉えることができることがあり、非常に有用であると考えている。比較的早期のパーキンソン病でも血圧変動がみられる患者がおり、これが疾患の進行にどのような影響を与えるのかフォローアップを継続したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
外来患者を対象とするため、自宅でも適切に各種測定が継続されるためには、介助者の十分な理解が必要である。しかし、介助者の多くが比較的高齢であることもあり、協力を得られる患者・家族の確保に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はこれまで以上に研究協力者に声をかけて、できるだけ多くの患者の参加を目指したい。
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Causes of Carryover |
研究に参加する患者がまだ十分には集まっていないことから、引き続き患者募集のため、研究協力者に依頼して患者を集める予定である。携帯型2チャンネル脳波・筋電計に用いるディスポーザブル電極、24時間携帯型自動血圧計の関連物品、電池、解析に必要なPCソフトウェアなどに使用する予定である。遺伝子検索のため、シーケンス試薬も必要となる予定である。
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