2021 Fiscal Year Research-status Report
IL-33/ST2を介した川崎病および冠動脈病変発症機序の解明
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21K15906
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
岡田 清吾 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (50610680)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 川崎病 / alarmin / DAMPs / IL-33 |
Outline of Annual Research Achievements |
培養ヒト冠動脈内皮細胞(HCAEC)をLonza社から入手し、endothelial cell growth medium-2(EGM-2) BulletKit(Lonza)を用いて湿度5%CO2、37℃の条件下で培養した。HCAECを24ウェルプレートに播種し(4.0×10^4 cells/well)24時間培養した後、pH7.0 のN-(2-hydroxyethyl)piperazine-N'-ethanesulfonic acid(HEPES)緩衝液で一度洗浄した。HCAECを1、10、100 ng/mL濃度のIL-33(R&D Systems)で刺激し、刺激後0、4、12、24 時間後の細胞培養上清および細胞を回収した。また同様の実験をIL-33およびTNF-αの共刺激で行い上清および細胞を回収・保存した。後日保存上清をEnzyme-linked immuno-sorbent assay(ELISA)法で解析した。IL-33刺激濃度依存性に培養HCAEC上清中の可溶性ST2、IL-6、IL-8、およびmonocyte chemoattractant protein-1濃度が上昇した。IL-33とTNF-αの共刺激では、IL-33単独刺激に比して上清中炎症性サイトカイン濃度が高値を示した。また、IL-33単独刺激時の培養HCAEC上清中IL-6濃度は、TNF-α単独刺激時に比し有意に高値であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
HCAECをIL-33で刺激し、IL-33単独刺激がTNF-α単独刺激よりもHCAECに強い炎症を惹起する可能性があることを確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は川崎病において「IL-33が壊死した冠動脈平滑筋細胞から放出されている」という仮説をin vitroで検証する。具体的には培養ヒト冠動脈平滑筋細胞(HCASMC)をTNF-α等で刺激し、上清中のIL-33濃度を測定する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの流行により予定出張がすべてキャンセルされ旅費として計上していた予算を使用しなかった。また順調に実験計画が進んだため、細胞・培養液・ELISAキット購入にかかる費用が当初予定していた額を下回った。この未使用額は令和4年度の研究費と併せて、各種サイトカイン遺伝子発現解析に用いる試薬の購入費、および学会への旅費・参加費と併せて使用する。
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