2021 Fiscal Year Research-status Report
地域ケアにかかわる多職種を対象とした熱中症予防対策の学習プログラム開発
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21K17410
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
山下 留理子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 特任教授 (90380047)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 熱中症 / 地域ケア / 多職種 / 学習プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は職種や所属、教育的背景の違う地域ケアの多職種を対象にした協同的・体系的・継続的に学習できる熱中症予防対策の教育プログラムを開発・評価することである。 2021年度の目的は、地域ケアにかかわる保健医療福祉職等が熱中症を察知した状況とその要因、また事前にどう対処することで防げたかを明らかにすることであった。 1)文献検討や研修会への参加:熱中症の国内外の動向や基礎資料、地域ケアにかかわる専門職や自治体の施策について研修会に参加したり、文献検討を行ったりして、現状を把握した。 2)インタービュー調査の内容の検討:文献検討の結果を受け、インタビュー調査の項目について検討した。熱中症の前段階、いわゆる「ヒヤリ」「ハット」を察知したのはどういった状況で、どのような要因が重なり生じていたか、また事前にどう対処するとそれが防げたと考えるかといった実態を把握するための質問項目を抽出した。現場の看護職や研究者に意見をもらい、追加・修正を行った。 3)2022年度以降に実施する質問紙調査の検討:インタビュー調査をもとに地域ケアにかかわる保健医療福祉職を対象に、横断的な調査を実施する。その調査における対象やデザイン等について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
地域で生活をする高齢者は、熱中症の発生や重症化、死に至る危険性が高く、予防対策は国の喫緊の課題である。訪問看護師をはじめとする暮らしの場に足を踏み入れる保健医療福祉の専門職は、救急搬送前の「ヒヤリ」「ハット」を察知することも多いが、その現象に着目した研究はこれまでなされてきていない。したがって、職種や所属、教育的背景の違う地域ケアの多職種を対象にした協同的・体系的・継続的に学習できる教育プログラムを開発することを目的としている。 2021年度はインタビュー調査を実施することを目標にしていたが、それに先立つ文献検討に時間を要した。また、新型コロナウィルス感染症の拡大に伴い、施設職員と打ち合わせに係る時間確保が難しい状況であった。加えて、令和4年度に実施する予定である質問紙調査の対象やデザイン等の検討を同時に検討したため、予定どおりに進められていない。
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Strategy for Future Research Activity |
インタビュー調査を実施、分析を進めるとともに、その結果を活かし質問紙調査を実施する。 まず、熱中症の前段階を察知した状況とその要因、また事前にどう対処するとそれが防げたかを明らかにする。地域ケアにかかわる多職種を対象に、半構成的面接による質的記述的を行う。次に、A県の在宅高齢者における熱中症の前段階における状況について把握する。インタビュー調査をもとに質問紙を作成し、地域ケアに関わる多機関を無作為抽出し、多職種を対象に自記式質問紙調査を実施する。 以上から、地域ケアにかかわる多職種を対象とした、地域包括的視点による熱中症予防対策の学習プログラムの開発と評価に向けた素案を作成する。
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Causes of Carryover |
(理由)インタビュー調査は、新型コロナウィルス感染症拡大に伴い関係機関とのスケジュール調整に至らなかったことにより令和4年度に実施することとなり、次年度使用額が生じた。また、文献検討や研修会等が感染拡大下にあり、オンラインでの参加となったたことで予定より少額で賄え次年度使用額が生じた。 (使用計画)インタビュー調査や質問紙調査の実施に要する費用を令和3年度の物品費旅費、人件費・謝金と合わせて使用する。
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