2012 Fiscal Year Annual Research Report
イネの葉中デンプン過剰蓄積変異体を用いた光合成産物の転流・代謝機構の解明
Project/Area Number |
22380017
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Research Institution | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
Principal Investigator |
廣瀬 竜郎 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業総合研究センター作物開発研究領域, 主任研究員 (90355579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大杉 立 東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (40343107)
青木 直大 東京大学, 農学生命科学研究科, 助教 (70466811)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | イネ / 遺伝子 / デンプン / 転流 / 突然変異体 |
Research Abstract |
本研究は、世界的な主要作物であるイネを研究対象とし、ソース葉からシンク器官への光合成産物の転流の制御要因を遺伝子レベルで明らかにすることを目的とした。光合成産物の転流が抑制されるとソース葉にデンプンが過剰蓄積すると予想されることから、代表者がこれまでに見いだしたイネの葉中デンプン過剰蓄積突然変異体を材料とし、その原因遺伝子の特定と生理特性の解析を通じて転流の制御要因を明らかにすることをめざした。平成24年度の研究実績は以下のように要約できる。 1)LE1変異系統の生理機能と収量関連形質の解析 前年度までにOsGWD1遺伝子が変異の原因遺伝子であることがわかったLSE1について生理機能解析をさらに進め、LSE1では32個のエキソンのうち後半の11個を欠いた異常な転写産物が蓄積していることがわかった。また葉中デンプンのリン酸含量が低下しており、OsGWD1の機能がデンプンのリン酸化であることが強く示唆された。さらに、LSE1変異系統を圃場で栽培し、その収量関連形質の詳細な解析を行った。その結果、LSE1系統は野生型に比べて一穂籾数や登熟歩合が低く、その原因の一つとして出穂後の茎葉蓄積デンプンの再転流が不十分であることが示唆された。 2)LSE1、LSE2およびLSE3の生理機能の比較 LSE1は地上部全体に著しいデンプン蓄積がおこるのに対して、LSE2およびLSE3ではデンプン蓄積が生じるのは前者では成熟葉の葉身、後者では成熟中の葉身に限られること、また、LSE1では葉中の可溶性糖濃度には野生型と差がないのに対して、LSE2およびLSE3ではデンプンに加えて可溶性糖も高濃度で蓄積していた。さらに、LSE1では葉肉細胞の葉緑体にデンプンが蓄積していたが、LSE2およびLSE3では葉肉細胞に加えて維管束鞘細胞や維管束内の柔細胞の葉緑体にもデンプンが蓄積していた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Disruption of a rice gene for α-glucan water dikinase, OsGWD1, leads to hyperaccumulation of starch in leaves but exhibits limited effects on growth2013
Author(s)
Tatsuro Hirose, Naohiro Aoki, YusukeHarada, Masaki Okamura, Yoichi Hashida,Ryu Ohsugi, Akio Miyao, Hirohiko Hirochika, Tomio Terao
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Journal Title
Frontiers in Plant Science
Volume: Vol.4
Pages: 143
DOI
Peer Reviewed