2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22390370
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小笠原 康悦 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (30323603)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 啓一 東北大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (30178644)
中山 勝文 東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (20453582)
|
Keywords | 金属 / アレルギー / 生体材料 |
Research Abstract |
現在、多くの医療用生体材料が開発され臨床応用されている。歯科治療においては、金属やレジン、セラミックスなどの材料が多用されている。特に金属は、その物質的特性である剛性、弾性、延性および加工のしやすさから、歯科領域においては義歯材料、歯冠修復材料、そしてインプラント体ならびにその上部構造材料等として、また医科領域においても人工関節材料、血管ステント材料等として頻用されている。しかしその一方では、金属による炎症や口腔疾患、アレルギー性皮膚炎が誘導される場合があり、その危険性は以前から指摘されてきた。 近年、金属による疾患、すなわち炎症やアレルギー性皮膚炎は増加の一途にある。その背景として、歯科を含む医療技術の向上による金属材料の使用頻度の増加、およびピアスやネックレスなど装飾品をつける人の増加が挙げられる。例えば、厚生労働省の実態調査によると家庭用品に係る皮膚障害の約半数が金属炎症、アレルギーを含む皮膚炎であるとされている。しかし、金属による疾患の病態解明は進んでいない。 そこで本研究は、医療用材料、特に金属が引き起こす様々な障害、すなわち炎症や遅延型過敏反応について、申請者らが開発した動物実験モデルを用いて、その発症の分子機構を明らかにし新規診断法の開発へ向けた理論的基盤を確立することを目的とする。 本年度は、患者末梢血を用いた、リンパ球刺激試験による診断法の開発に向けて研究を遂行し、CTLA-4を阻害することにより感度が増強することが判明した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
患者末梢血を用いた、リンパ球刺激試験による診断法の開発に向けて研究を遂行し、CTLA-4を阻害することにより感度が増強することを見出した。金属アレルギーの診断法は、パッチテストが唯一であり診断に苦慮していたが、本発見により、新たな診断法として提示できる可能性を秘めている。
|
Strategy for Future Research Activity |
ヒト型マウス、あるいは、霊長類を用いた実験系を構築し、マウスでの基礎研究から、よりヒトの疾患に近い状況で研究を遂行する。霊長類としてマーモセットを検討しており、マーモセットのT細胞解析系の構築を目指している。さらに、マウス金属アレルギーモデルを改変して、ヒト金属アレルギーの病理とより近いモデルを開発する。
|
Research Products
(1 results)