2012 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジアの大陸部と島嶼部に分布する熱帯熱マラリア原虫の細胞学的・分子疫学的研究
Project/Area Number |
22406011
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
川本 文彦 大分大学, 全学研究推進機構, 教授 (40115556)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神戸 俊夫 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50093018)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 国際研究者交流 / インドネシア:ベトナム:タイ / 熱帯熱マラリア原虫 / 東南アジア / 分布領域 / 分子疫学調査 / 遺伝子解析 / 人工培養 |
Research Abstract |
東南アジアの大陸部と島嶼部に分布する熱帯熱マラリア原虫の分子疫学的解析と細胞学的特性を調査するため、インドネシア、ベトナムおよびタイにおいてアクリジンオレンジ法によるマラリア迅速診断法を用いて、分子疫学調査を実施した。これらの調査から得られた熱帯熱マラリア原虫の野性株を用いて、東南アジア島嶼部と大陸部から得られた熱帯熱マラリア原虫の分子疫的遺伝子解析および人工培養を試みた。(1) インドネシアではスラウェシ島北スラウェシ州のマナド近郊、ビトン近郊、トモホン近郊、トンダノ近郊およびニューギニア島イリアンジャヤ州のソロン近郊において、6回の疫学調査を実施し、5例の熱帯熱マラリア原虫野生株を得た。しかし、人工培養に順応した熱帯熱マラリア原虫は認められず、これまでと同じくインドネシア産の熱帯熱マラリア原虫野生株の人工培養適合株は得られなかった。(2)1月にベトナムを訪問し、ホーチミン市内の病院の入院患者2名から熱帯熱マラリア原虫を入手し、人工培養した結果、2例とも人工培養に成功し、従来の結果と同様、大陸部の熱帯熱マラリア野生株は容易に人工培養に適応することが確認された。この内の1例は培養中に幼弱生殖母体が多数出現したことから、生殖母体形成誘導を試みた結果、培地中のグルコース量を減少することにより、生殖母体形成を誘導することが判明した。(3) 人工培養適応株と不適応株の熱帯熱マラリア原虫野生株を用いてRoche Genome Sequencer FLX+ system による遺伝子比較を行ったが、これまでの所、両者に大きな差異は認められておらず、有性世代転換制御遺伝子の同定はできていない。今後も疫学調査を行い、大陸部と島嶼部の熱帯熱マラリア原虫の特性の分子疫学的および生物学的比較検討を行いたい。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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