2012 Fiscal Year Annual Research Report
視索前野性的二型核形成過程の可視化による性分化機構の解明
Project/Area Number |
22500297
|
Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
濱田 知宏 日本医科大学, 医学部, 助教 (90312058)
|
Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
|
Keywords | 性分化 / 性差 / エストロゲン / 細胞移動 / 視索前野性的二型核 / 分界条床核 |
Research Abstract |
本研究の目的は、性同一性障害に代表される脳の性分化異常の予防法確立を念頭に、雄で有意に大きい神経核である視索前野性的二型核(SDN-POA)や分界条床核(BNST)をモデルとして、その形成過程を可視化し、脳の性分化機構の解明を目指すものである。これまでに我々の作出したエストロゲン受容体遺伝子プロモータートランスジェニックラット(ER-GFPラット)によりSDN-POAとBNSTの可視化を実現し、組織学的検討とスライス培養切片のタイムラプス撮影により、in vivoおよびin vitroでのSDN-POA形成過程の可視化を現実のものとした。 今年度は性差形成に重要なERα発現とSDN-POAおよびBNSTとの関係について詳細に検討した。C末端を認識する抗体を用いた場合、周生期のERα発現はGFP発現細胞でなく、その周囲の細胞の核に観察されたが、N末端を認識する抗体を用いた場合、SDN-POAニューロンの核外にシグナルが見られ、出生後徐々に核にシグナルが移行することが観察された。ERαには各種バリアントが知られていることから、これら神経核の性分化機構には、周囲のERα陽性細胞からの影響のみならず、SDN-POAにおけるERαのスイッチングが関係すると考えられた。以上の結果は第90回日本生理学会大会で報告した。 また、ER-GFPラットが性差の存在するBNST主部を特異的に可視化しうるが、出生日エストロゲン投与では完全な雄性化が見られず、テストステロン投与で雄性化が観察されたため、SDN-POAとは異なり、アンドロゲンの直接作用による性分化機構が示唆された。 以上、ER-GFPラットを用いることでSDN-POAおよびBNSTの可視化を実現し、周生期の性差形成機構をin vivoおよびin vitroで可視化することに成功し、その詳細を検討しうるモデルが確立された。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(4 results)