2011 Fiscal Year Annual Research Report
リズミックな遺伝子発現を誘起する人工時計タンパク質の創製
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22710213
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今西 未来 京都大学, 化学研究所, 助教 (80362391)
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Keywords | 遺伝子発現 / タンパク質デザイン / 概日時計 |
Research Abstract |
個々の細胞では様々な遺伝子の発現がサーカディアンリズムを有している。これらの遺伝子の多くは、プロモーター領域にE-boxをはじめとする様々な時計タンパク質結合配列が存在し、転写活性化が周期的に調節されている。このような周期的な調節を担う時計タンパク質には、E-box配列に結合し転写を活性化する活性化因子、およびこれらの抑制因子などが知られている。一方、任意の遺伝子をリズミックに発現させることができれば、リズム異常の原因解明や治療にとって有用である。そこで、活性化因子がE-box配列のみならず、様々な標的配列へ近づくことができれば、周期的に抑制因子による制御がかかり、結果としてリズミックな遺伝子発現が生じるのではないかと考えた。そこで本年度は、外来のDNA結合ドメインと活性化因子として働く時計タンパク質との融合タンパク質をデザインした。モデル系として、DNA結合ドメインには代表的なジンクフィンガードメインを導入し、レポーター遺伝子としてはプロモーター中にジンクフィンガー結合配列を挿入したものを作製した。これを培養細胞内で発現させ、レポーターアッセイを行った結果、プロモーター領域にジンクフィンガーの結合配列を有する場合には、E-boxが無くても転写が活性化され、また同時に、抑制因子による制御を受けることが明らかになった。さらに、レポーター遺伝子の発現をリアルタイムでモニタリングした結果、プロモーター領域にジンクフィンガーの結合配列を有する場合にのみ、約24時間周期のリズミックな遺伝子発現が誘起された。これらの結果は、時計タンパク質が直接DNAに結合していなくても、リズミックな遺伝子発現を誘起できることを示した初めての例であり、また、任意の遺伝子をリズミックに発現させることができる可能性を示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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