2010 Fiscal Year Annual Research Report
燃料電池自動車用高容量高耐久性V系プロチウム貯蔵合金の創生
Project/Area Number |
22760526
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
栗岩 貴寛 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (30463780)
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Keywords | 水素吸蔵合金 / 燃料電池自動車 / 水素 / 低炭素 |
Research Abstract |
水素吸蔵合金は体積貯蔵率が高く、燃料電池自動車用水素貯蔵手段として注目されている。重要課題は極低温始動性と耐久性向上であり、実用化には、-20~-30℃においても水素放出可能な合金へと改良が必要である。本研究は、体積効率の高いV-Ti-Cr系水素吸蔵合金を基に、1、極低温における水素放出特性の向上、2、高耐久性合金の開発を目指すものであり、2010年度は以下の知見、成果を得た。 1、V-Ti-Cr合金の高耐久性化、高作動圧化 V含有量の耐久性への影響について調査を行い、高耐久性の75at%V合金を見いだした(200サイクル時、初期水素容量の99%を維持)。 また、V含有量と高作動圧化(箒低温作動化)の限界について調査を行い、良好な関係を見いだした。一方更なる低温作動性向上(ex.-20℃)には置換元素の導入が不可欠であることも判明した。 2、75at%V-Ti-Cr-Al合金における低温作動化 低温作動性向上のため、湖を導入、想含有量と作動圧の関係について調査を行い、Al量増加にほぼ比例して、低温作動性の向上がなされた。Al導入合金はV-Ti-Cr合金と比較して高圧化限界が大きく改善され、Alの新しい役割を見いだし、-30℃においても水素放出の容易な75at%V-Ti-Cr-3at%Al合金の開発に成功、(1)と併せて第18回国際水素会議にて報告した(WHEC2010)。 3、75at%V-Ti-Cr-M合金(M=Mo,W)における低温作動化 他の第四元素導入による高圧化も期待され、75at%V-Ti-Cr-Moおよび75at%V-Cr-W合金において、MoまたはW導入量と高圧化の関係について調査を行い、MoおよびWを導入することにより低温特性の向上がなされ、-30℃においても水素放出が容易な合金を見いだし、日本金属学会秋期大会にて報告した。
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