2022 Fiscal Year Annual Research Report
Unravelling the metabolism of Kouleothrix aurantiaca by whole genome sequencing
Project/Area Number |
22F20714
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
新田見 匡 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (20377089)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BATINOVIC STEVEN 横浜国立大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
|
Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2023-03-31
|
Keywords | 用排水システム / 生物環境プロセス / 糸状性細菌 / バクテリオファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
コウレオスリックス属の細菌はその糸状性の形態により活性汚泥のバルキングを誘引することが報告されている。廃水処理施設において、バルキングの発生は処理水質の悪化など様々な問題を引き起こす。本課題ではコウレオスリックス属オーランティアカ種細菌の全ゲノム塩基配列を解読し、同細菌の増殖制御因子を明らかにすることを目的とした。我々は先行研究において同細菌のゲノム塩基配列の一部を明らかにしていた。本課題ではその先行研究の結果も合わせて全容を解明することで、活性汚泥のバルキングの解決に繋がる有用な情報を得る計画であった。 コウレオスリックス属オーランティアカ種の細菌5株について全ゲノム配列を決定した結果、そのゲノムは細菌としては比較的大きなサイズ(8.57-10.15 Mb)であることが分かった。解読したゲノム配列に基づき5株の系統解析を行ったところ、1株は他の4株とは遠縁であることがわかった。同株はコウレオスリックス属の新種の基準株になるものと考えられる。オーランティアカ種4株についてゲノムアラインメントを行った結果、それらは遺伝子位置が高いレベルで相同であり、株間の差異の多くは可動遺伝要素の挿入に起因していることがわかった。 バクテリオファージを標的とした抗ウイルスシステムについて調べたところ、5株のゲノムには制限酵素やCRISPR-Casなどの抗ファージシステムが多く存在していた。これはコウレオスリックス属がファージによる感染への防御に優れることを示すとともに、それにより生息数が維持される可能性を示唆する結果であった。また代謝解析により好気と嫌気条件下でのコウレオスリックス属細菌の炭素利用経路を再構築することができた。 コウレオスリックス属の細菌が活性汚泥環境で増殖する機序をさらに明らかにすることで、廃水処理施設におけるバルキングを防ぐための手段を構築できるものと考える。
|
Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(4 results)