2022 Fiscal Year Research-status Report
腱板断裂修復部に対する体外衝撃波の組織修復促進効果の検討
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22K09347
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
一ノ瀬 剛 群馬大学, 大学院医学系研究科, 研究員 (70742550)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
設楽 仁 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (20588652)
筑田 博隆 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30345219)
鯉淵 典之 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (80234681)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 腱板断裂 / ESWT / 軟骨系細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
肩関節において,回旋筋腱板は棘上筋腱,棘下筋腱,小円筋腱,肩甲下筋腱からなり,肩 関節の運動安定性に寄与する構造である..腱板付着部は組織学的には「腱-非石灰化軟骨層-石灰化軟骨層―骨」の4層構造からなる.加齢や腱板に加わる機械的刺激により腱板付着部の構造が破綻し「腱板断裂」が生じるが,この外科的治療において,組織学的修復の促進技術は腱板断裂の治療成績向上に繋がる画期的技術である.一方,体外衝撃波治療(Extracorporeal Shock Wave Therapy, ESWT)は整形外科領域では各種腱炎にも適応が拡大してきた衝撃波を用いた非侵襲的治療法であり,研究代表者は自然修復力に乏しい膝半月板損傷を施したラットモデルにESWTを行い,半月板修復部でのCCN2陽性細胞の増加やSOX9の発現上昇など軟骨細胞系活性化により半月板修復が促進されることを報告した(Hashimoto S et al. Am J Sports Med. 2019) .この結果から「正常構造に軟骨組織を有する腱板付着部の修復においてもESWTによる軟骨細胞系の活性化を介した組織修復促進効果が得られるのではないか」という問いをたてた. われわれは全身麻酔下に左肩の棘上筋腱断裂を施し,術後3週で腱板修復を行った腱板修復ラットモデルを作成,これを2群に分け,腱板修復後1週で一方にESWTを行い,もう一方はそのまま経過観察として腱板修復後4週での腱板の修復状況を病理学的に調査した.この結果,ESWT群では腱板修復部の細胞数の比率(手術側/非手術側)がESWT未施行群に対して有意に低値であることが判明,この結果を受けてさらなる病理学的調査および遺伝子発現状況について調査を継続する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
病理組織検体の作成時に破損するサンプルが複数生じ,再作成などを含み時間がかかっていたため.
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Strategy for Future Research Activity |
病理組織検体は調査予定数に達しており,現在,一部の染色,検鏡に関して外部業者に委託している.今後は遺伝子発現状況の調査を進める予定である.
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Causes of Carryover |
初年度の病理検体作成に遅延に伴い,予定していた試薬・機器の購入を遅らせたため,初年度分の一部を次年度に充てる事となりました.
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