2022 Fiscal Year Research-status Report
雑誌メディアによる明治時代の思想文化の検討―博文館関連史料の整理を通して
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22K12721
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Research Institution | Josai International University |
Principal Investigator |
長尾 宗典 城西国際大学, 国際人文学部, 准教授 (10826241)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野目 徹 筑波大学, 人文社会系, 教授 (70241750)
田中 友香理 筑波大学, 人文社会系, 助教 (90756280)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 博文館 / 坪谷善四郎 / 史料保存 / 出版文化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「近代日本において、雑誌メディアの生産・流通・保存の過程とは同時代の思想の発展にどのように関連したかを総合的に把握する」という「問い」の解決に向け、具体的に雑誌『太陽』の記事分析と博文館に関する一次史料の読解を組み合わせ、博文館の雑誌出版活動の特質を解明することを目的とし、①新潟県加茂市立図書館所蔵の坪谷善四郎資料の全容を明らかにする。研究成果として資料目録を刊行することによって、今後の研究の利便性を向上させる。②坪谷資料の日記、書簡類の一部を翻刻し、編集者と著者のやり取りを具体的に解明することで、明治時代の雑誌『太陽』の誌面の理解に新たな知見を加える。③あわせて、坪谷資料以外の博文館関係資料や博文館以外の明治時代の雑誌発行に関する調査・検討を進め、雑誌メディアから見た明治の思想文化の理解を深める。の3つを課題とした。 今年度は①の作業に着手し、現状の把握、点数の確認、日記等の史料の写真撮影を進めた。 日記については撮影が完了した。また、雑誌を用いた歴史研究の手法について、研究代表者の長尾は図書館等の機関における雑誌保存状況とデジタル化の現状について論文を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウィルスの感染症の流行により、県外の調査は必ずしも順調には実施できなかったが、加茂市立図書館を訪問して、同館と目録の方向性について打ち合わせを行うとともに、同館において目録作成に必要な作業を行った。6月および2023年の1~3月にかけて集中的に加茂市立図書館を訪問し、同館書庫に保管されてる史料の内容確認および写真撮影を行った。
また加茂市史の編纂室を訪れ、同編纂室が撮影した坪谷善四郎日記のマイクロフィルム化の現状についても確認することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も引き続き定期的に加茂市立図書館を訪問しては史料の内容確認と撮影作業を進める。とくに今年度は書簡の撮影を重点的に進めることとする。 また、具体的な目録の構想を練るとともに、入力作業も開始する。
今年度はまた本研究課題による研究成果の発表に努め、論文の公刊、学会での成果報告にも努めていくこととする。
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Causes of Carryover |
物品費と旅費の執行が予定通り行うことができなかったので、今年度において必要な物品を揃え、また加茂市立図書館への訪問調査を実施して作業を進めていくこととする。
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Research Products
(1 results)