2023 Fiscal Year Research-status Report
探針増強ラマン散乱・赤外吸収計測による生体ダイナミクスの解明
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22K14650
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
加藤 遼 徳島大学, ポストLEDフォトニクス研究所, 特任助教 (90910513)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 探針増強ラマン分光 / 赤外吸収分光 / 光熱効果 / ラマン分光 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、1分子感度を有する探針増強型のラマン分光法と赤外吸収分光を共立する新奇なナノスケール振動分光法を駆使し、生体分子の機能と化学構造ダイナミクスの相関関係を明らかにすることを目的とした。 ラマン分光・赤外分光をマルチモーダルに計測する系を構築し、有機分子やポリマー分子の測定を実証した。また、生体1分子計測への応用を行い、単一のタンパク質の構造解析を実証した。組織内の分子計測へも展開し、組織内のタンパクや脂質分子の分布をラマン・赤外分光学的に明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、ラマン分光と赤外分光を共立するシステムを開発し、標準試料を用いた原理実証を行った。また、開発した手法を用いて、生体1分子だけでなく、細胞や組織、有機薄膜の組成分析も成功しており、本手法の広い有効性を実証したため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、様々なタンパク質やペプチド分子の構造・機能解析へ応用する。特に、グラフェンや二硫化モリブデンなどの二次元材料上に自己組織化した生体材料や、有機薄膜材料の物性解析へ展開する。また、細胞やバクテリア表面の分子組成を生物学及び分光学的な観点から把握し、本手法の応用が有効であるかも今後検討する。特に、脂質物性とタンパク・リポ多糖物性の同時観察は生物学的意義が大きいと考える。
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Causes of Carryover |
単一タンパク質の機能解析結果を現在も解析中であり、そのための費用を次年度に計上する必要があったため。想定以上のデータが取得できたため、今回の結果に繋がった。
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Research Products
(2 results)