2022 Fiscal Year Research-status Report
細胞内リン酸排出分子XPR1による抗組織老化作用の解明
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22K17800
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
塩崎 雄治 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (70908748)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ミネラル栄養学 / リン毒性 / 老化 / 腎臓 / Xpr1 / CPP / トランスポーター / リン酸排出 |
Outline of Annual Research Achievements |
高リン食摂取や慢性腎臓病(CKD)に伴う高リン血症などのリン負荷は様々な臓器において細胞傷害を誘導し、老化や血管石灰化などのミネラル関連疾患を進展させる。ほとんどの細胞はIII型ナトリウム(Na)依存性無機リン酸 (Pi) トランスポーターPiT1を発現し、小腸上皮細胞や腎近位尿細管細胞など一部の臓器ではII型のNaPiトランスポーターNaPi2bもしくはNaPi2aとNaPi2cを発現する。特定の臓器でリン毒性が惹起される過程において、細胞がPiT1やNaPi2bなどのトランスポーターを介してリンを取り込み、細胞内Pi濃度が増加することが一因である可能性が示唆されている。一方で、多くの哺乳類細胞はXenotropic and polytropic retrovirus receptor 1 (Xpr1) を発現し、細胞内Piを細胞外へ排出する輸送機構を持つ。本研究はXpr1依存的細胞内Pi排出機構が個々の組織・細胞において高リン負荷時の毒性を緩和する役割を持つ可能性を考え、Xpr1抑制によりPi排出能が障害されることで高リン負荷による組織・細胞傷害が亢進するか解析する。 令和4年度は1) 組織もしくは時期特異的Xpr1ノックアウトマウス作製のためにXpr1 loxp/loxp マウスを作成し、飼育開始できる準備が整った。 2) 培養細胞実験では、Pi取り込み能が高い近位尿細管由来細胞において、siRNAによるXpr1ノックダウンが高リンメディウム培養条件において細胞生存を悪化させることを明らかにした。さらに、Xpr1抑制はリン酸カルシウム結晶とタンパク質の複合体であるCalciprotein particle (CPP) 添加による細胞毒性を亢進した。 3) また、CRISPR/Cas9システムを用いて内因性Xpr1タンパク質をノックアウトした近位尿左官培養細胞株を作製した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和4年度は時期特異的もしくは臓器特異的Xpr1 KOマウスの基となるXpr1 loxp/loxpマウスの作製が遅れたため、動物モデルを用いたXpr1抑制による組織リン毒性感受性への影響の解析が遅れている。 培養細胞実験において、siRNAによるXpr1抑制とリン毒性の亢進について解析し、Xpr1ノックダウンは高リン酸メディウム添加に対する細胞毒性を亢進するだけでなく、CPP添加によるリン毒性を増加させることを明らかにし、Xpr1が無機リン酸だけではなくリン関連代謝物が誘導する細胞死への耐性に関与する可能性を検討できた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度もXpr1機能抑制によるリン酸毒性機構を詳細に解析していく。 1) Xpr1が動物モデルにおいて全身性のリン毒性抑制に重要であるか解析するため、時期特異的Xpr1ノックアウトマウスを作成する。基礎データを解析後、Xpr1 KOマウスに高リン食摂取などのリン負荷を与え、Xpr1ノックアウト組織でのリン毒性を細胞死、炎症性マーカー発現や石灰化を指標に解析する。 2) Pi取り込みおよび排出バランスの破綻による細胞内Pi濃度増加が、リン酸毒性の誘導に関与することを解析する。令和4年度には内因性Xpr1ノックアウト細胞株が作製できたため、遺伝子導入によるXpr1発現回復が高リンメディウム添加などのリン毒性を緩和するかレスキュー実験を計画する。 3) リン酸由来代謝物による毒性に対するXpr1の役割を解明する。尿細管上皮細胞においてCPPの取り込みを担う受容体として報告されているToll-like receptor 4 (TLR4) の過剰発現およびノックダウンが、Xpr1ノックアウト細胞のCPP誘導性細胞死への感受性を変化させるか解析する。Xpr1ノックアウト細胞において、リン酸およびCPP添加により活性化されるリン毒性シグナルの探索を計画している。
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Causes of Carryover |
(理由) 3月に納品となり、支払いが完了していないため。 (計画) 4月に支払いが完了する予定である。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Effects of EOS789, a novel pan-phosphate transporter inhibitor, on phosphate metabolism: Comparison with a conventional phosphate binder.2023
Author(s)
Kazuya Tanifuji, Yuji Shiozaki, Megumi Koike, Minori Uga, Aoi Komiya, Mizuki Miura, Ayami Higashi, Takaaki Shimohata, Akira Takahashi, Noriko Ishizuka, Hisayoshi Hayashi, Yasuhiro Ichida, Shuichi Ohtomo, Naoshi Horiba, Ken-ichi Miyamoto, Hiroko Segawa
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Journal Title
The Journal of Medical Investigation
Volume: 70
Pages: 260-270
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Tmem174, a regulator of phosphate transporter prevents hyperphosphatemia.2022
Author(s)
Sasaki S, Shiozaki Y, Hanazaki A, Koike M, Tanifuji K, Uga M, Kawahara K, Kaneko I, Kawamoto Y, Wiriyasermkul P, Hasegawa T, Amizuka N, Miyamoto K. I, Nagamori S, Kanai Y, and Segawa H
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 12
Pages: 1-16
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Dietary polyphosphate has a greater effect on renal damage and FGF23 secretion than dietary monophosphate.2022
Author(s)
Sumire Sasaki, Megumi Koike, Kazuya Tanifuji, Minori Uga, Kota Kawahara, Aoi Komiya, Mizuki Miura, Yamato Harada, Yuki Hamaguchi, Shohei Sasaki, Yuji Shiozaki, Ichiro Kaneko, Ken-ichi Miyamoto, Hiroko Segawa
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Journal Title
The Journal of Medical Investigation
Volume: 69
Pages: 173-179
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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