2011 Fiscal Year Annual Research Report
新規アミノ酸ポジトロン製剤を用いたテーラーメード癌分子標的診断法の開発
Project/Area Number |
23300360
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Research Institution | Research Institute, Shiga Medical Center |
Principal Investigator |
東 達也 滋賀県立成人病センター(研究所), 画像研究部門, 総括研究員 (50324629)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西井 龍一 宮崎大学, 医学部, 講師 (60463212)
加川 信也 滋賀県立成人病センター(研究所), 画像研究部門, 主任研究員 (10393191)
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Keywords | アミノ酸輸送システム / PET検査 / 酢酸イメージング / 肝臓腫瘍 / 前立腺腫瘍 |
Research Abstract |
フッ素標識人工アミノ酸等によるポジトロンエミッション断層撮影(PET)診断薬の安定的な合成法を確立、これらを用いたがん細胞のアミノ酸代謝を半定量化する非侵襲的なPET検査法を開発し、従来の^<18>Fフルオロデオキシグルコース(FDG)を用いた糖代謝PET検査の欠点を補い、糖代謝PETや酢酸代謝PET等との併用等により総合的な糖・酢酸・アミノ酸代謝分子イメージングPET法を確立するという試みである。対象疾患としては肝臓腫瘍、前立腺腫瘍などを考えている。 予算交付が年度の後半であったため、まずは迅速な予算執行を心がけ、PET薬剤の新規合成装置の購入を予定、実際に購入、セッティングを行った。年度内になんとか実際の合成検討が開始でき、まずは2-Amino-2-methyl-3-hydroxy-propanoic acid(α-MeSer)を出発原料として、様々な合成を行い前駆体の合成検討を開始した。前駆体合成条件の確立・最適化においては、有機合成に十分実績を有する大桃善朗准教授(大阪薬科大学大学院)との研究協力の体制作りが必須であり、現在体制作りのための協議を行っている。 現在、試験的な分離・精製方法に関する検討を繰り返している。 並行して、類似PET薬剤であるフルオロ酢酸の合成検討が行われた。こちらは当施設に既存のPET薬剤合成装置が使用できるため、上記セッティング中も研究は継続可能であった。非常に進捗よく、すでに合成法が十分に確立された。動物実験なども含めた安全性試験などを終了の上、平成24年3月22日に当センター倫理委員会の承認を受け、健常ボランティアへの投与が認められた。健常ボランティアを募集し、平成24年度にはボランティア試験を進めて行く予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予算の交付が年度後半であったこともあり、主たる研究・フッ素標識人工アミノ酸合成では、実際の研究に至る以前の段階で、まずは新規のPET薬剤合成装置の購入、セッティングに終わったに近い状況である。しかしながら、平行して進めている類似PET薬剤であるフルオロ酢酸に関しては、非常に進展は順調で、健常ボランティア検査の倫理委員会の承認もあり、まずますの進捗と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
新規のPET薬剤合成装置のセッティングは終了しており、今後フッ素標識人工アミノ酸合成検討をどんどん進めて行く予定である。平行して進めている類似PET薬剤であるフルオロ酢酸に関しては、健常ボランティア検査を進めた上で、ある程度の症例数がたまり、安全性が確立されれば、次回は担癌患者におけるフルオロ酢酸検査の実施を求めて、再度倫理委員会に申請していく予定である。
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