2012 Fiscal Year Annual Research Report
新規アミノ酸ポジトロン製剤を用いたテーラーメード癌分子標的診断法の開発
Project/Area Number |
23300360
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Research Institution | Research Institute, Shiga Medical Center |
Principal Investigator |
東 達也 滋賀県立成人病センター(研究所), 画像研究部門, 総括研究員 (50324629)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加川 信也 滋賀県立成人病センター(研究所), 画像研究部門, 主任研究員 (10393191)
西井 龍一 宮崎大学, 医学部, 講師 (60463212)
大桃 善朗 大阪薬科大学, 薬学部, 准教授 (70183241)
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Project Period (FY) |
2011-11-18 – 2014-03-31
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Keywords | アミノ酸輸送システム / PET検査 / 酢酸イメージング / 肝臓腫瘍 / 前立腺腫瘍 |
Research Abstract |
フッ素標識人工アミノ酸等によるポジトロンエミッション断層撮影(PET)診断薬の安定的な合成法を確立、がん細胞のアミノ酸代謝を半定量化する非侵襲的なPET検査法を開発し、従来の18Fフルオロデオキシグルコース(FDG)を用いた糖代謝PET検査の欠点を補い、糖代謝PETや酢酸代謝PET等との併用等により総合的な糖・酢酸・アミノ酸代謝分子イメージングPET法を確立するという試みである。対象疾患としては肝臓腫瘍、前立腺腫瘍などを考えている。 平成24年度当初より本格的な合成検討を開始し、2-Amino-2-methyl-3-hydroxy-propanoic acid(α-MeSer)を出発原料として、前駆体の合成を進めている。有機合成に十分実績を有する大桃善朗准教授(大阪薬科大学大学院)との研究協力の体制のもと、前駆体合成条件の確立・最適化の検討を積極的に進め、試験的な分離・精製方法に関する検討を繰り返している。 並行して、類似PET薬剤であるフルオロ酢酸の合成検討を進めており、安全性試験などを終了後、平成24年3月に当センター倫理委員会の承認を受け、平成24年度当初より健常ボランティアへの試験を開始した。4ヶ月間で健常者24名の検討を終え、検査プロトコールを確立した上で、平成24年8月に当センター倫理委員会に申請、その承認を受け、平成24年10月より肝臓腫瘍患者を中心とした臨床試験を開始した。従来のPET製剤であるFDGとの比較対象も含めて、現在までで9名の検討を終え、平成25年6月の米国核医学会総会での発表演題に採択された。さらに症例を重ねて、PET薬剤としての有用性を検討していく予定である。 また、平行研究として人工アミノ酸MeAIBによる臨床PET診断を進めており、前立腺腫瘍・胸部腫瘍などで積極的に症例を重ね、平成24年6月の米国核医学会総会等で4演題を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
主たる研究・フッ素標識人工アミノ酸合成では、前駆体合成条件の確立に難渋しており、進捗状況としては芳しいものとは言えない状態である。しかしながら、平行して進めている類似PET薬剤であるフルオロ酢酸に関しては、非常に進展は順調で、肝臓腫瘍患者を中心とした臨床試験の倫理委員会の承認も受け、米国核医学会総会での発表演題に採択され、まずますの進捗と考える。平行研究である、MeAIBを始めとしたその他の人工アミノ酸による腫瘍研究は良好に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後もさらにフッ素標識人工アミノ酸合成検討をどんどん進めて行く予定である。 平行して進めている類似PET薬剤であるフルオロ酢酸に関しては、肝臓腫瘍患者を中心とした臨床試験を進めた上で、米国核医学会総会での発表、症例を重ねて、論文投稿へと進めていく予定である。 今後も平行研究である、MeAIBを始めとしたその他の人工アミノ酸による腫瘍研究をどんどん進めて行く予定である。
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