2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23591624
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
武居 公子 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90325861)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上里 博 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10137721)
稲嶺 盛彦 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90437989)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 有棘細胞癌 / 転移 / ケラチン / マイクロRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
皮膚有棘細胞癌のマウスモデル細胞株である低転移株と高転移株を用いたマイクロアレイ解析により皮膚有棘細胞癌の転移のマーカーとなる候補分子 (ケラチン8/18, microRNA-221/222) を同定した。1978年から2012年の35年間に琉球大学医学部附属病院を受診した有棘細胞癌症例は448例であり、このうち19例 (4.2%) で転移がみられた。Brantsch (Lancet Oncol 9: 713-720, 2008) らの皮膚有棘細胞癌大規模解析 (1990年1月1日から2001年12月31日までの12年間) では615例中26例 (4.6%) で転移がみられており、有棘細胞癌転移の発生頻度に人種・地域の差はほぼないものと考えられた。Brantsch らの定義に従い、治療後4年間転移が確認されない症例を非転移対照症例とし、転移症例と年齢、性別をマッチさせた症例-対照研究をおこなった。 文書による同意が得られた転移症例11例、非転移対照症例11例を対象として、得られた候補分子の発現を免疫染色で解析した結果、ケラチン8/18の発現陽性と皮膚有棘細胞癌の転移が統計的に有意な相関を示した (p=0.004, binomial exact test)。同時にマイクロアレイでは低転移細胞株と比較して高転移細胞株においてマイクロRNAのmir-221/222が高発現であった。マイクロRNAは類似した配列を持つ遺伝子配列の3’非翻訳領域に結合してmRNAを分解したり、翻訳を抑制することにより蛋白発現を制御することが分かっている。有棘細胞癌の転移にmir-221/222が関与している可能性があると考え、in situ hybridizationで解析した結果、mir-221/222の発現と皮膚有棘細胞癌の転移が統計的に有意な相関を示した (p=0.004, binomial exact test)。皮膚有棘細胞癌の転移とケラチン8/18およびmir-221/222発現との相関を明確な定義のもとに初めて明らかにした。
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