2011 Fiscal Year Annual Research Report
小学校体育科における「表現運動」に「鑑賞」を取り入れた教材の開発
Project/Area Number |
23908027
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
長町 裕子 香川大学, 教育学部附属高松小学校, 教諭
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Keywords | PDCAサイクル / 問題解決的思考 / 動きの質の向上 |
Research Abstract |
1研究の目的 学習指導要領の改訂において動きの例示が示されたが,実際の授業場面において教師も子どもも「よい動き」を具体的にイメージできず,学習内容が不明確になることが考えられる。そこで本研究では,「鑑賞」領域を取り入れ,「よい動き」を映像として学ぶことができる「教材」を模索し,明確な学習内容を設定することを目的とする。 2研究方法 (1)子どもの動きの分析(2)表現運動における基礎となる動きの検討 (3)授業実践による検証(4)「鑑賞」領域における学習内容の再検討 3研究成果 ・大学生の「よい動き」の映像を鑑賞することで目指す動きが明確なものになるため,自らの課題を把握できた。ここで目指す動きとは,「時間・空間・集団・身体」の4つの視点からの多様な動きである。これらの視点から,動きをつないだり組み合わせたりすることで,個性的創造的な動きが生み出されていた。 ・子どもが自らの課題把握できるため,子ども主体のPDCAサイクルが生まれ,豊かな問題解決的思考が育まれた。特に,解決する過程で,現状の問題に気付き,目指す動きに向けて動きの改善ができた。 ・大学生のDVDをもとに,動きを客観的に観る価値を知ることで,自らの動きを映像によって見つめ直す学習過程が必然性のあるものになった。友達からの意見を聞くよりも,実際の映像を通して学ぶことは,自らの動きを「鑑賞」するという学び方につながり,子ども一人一人の動きの質の向上につながった。ここで言う動きの質とは,先述したような4つの視点からの多様な動きの生み出しを指す。 ・「鑑賞」領域の設定は,単に「考える-踊る」という学習から「みる」という学習が強調され,子どもに相手意識が生まれ,学習の有用感を感じることができた。大学生の動きのよさや自らの動きの改善点等について学ぶことができ,新しい動きの生み出しに生かされ,動きの質の向上につながっていた。
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Research Products
(2 results)