2014 Fiscal Year Annual Research Report
スマートモビリティと環境固定センサ群の相互支援による走行時リスク検出法の開発
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24300078
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
佐藤 雄隆 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 研究グループ長 (00392621)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | スマートモビリティ / パーソナルモビリティ / 知能ロボティクス / コンピュータビジョン |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、我々の従来研究である車載センサによるリスク検出法をベースとし、統合された車載センサと環境固定センサの情報を用いることにより、より高い精度で、しかも移動機器から死角となる領域についてもリスク評価が可能になることを確かめた。具体的には、見通しの悪い交差点を模擬した実験環境での歩行者の急な飛び出しに対して、移動体からの死角をカバーする環境固定センサの情報と車載センサの情報を統合してリスク評価することにより、衝突を未然に防ぐアルゴリズムを開発・実装し、評価実験を行った。また、更なる性能の向上を狙った以下の要素技術に関する研究を行った。 ・環境変動に対するロバスト性の更なる向上 実環境における環境光の変動による外乱が位置姿勢の検出精度に与える影響が大きいことがこれまで明らかとなり、ロバスト性を向上させるための研究を行ってきたが、検証の結果、仮説通りロバスト性向上の効果が大きいことがわかった。今回更に、画像を明度変化の共起性に基づきまず領域分割し、異なる領域に属する画素間の共起性に着目するというメカニズムを導入することにより、ロバスト性が更に向上することを明らかにした。 ・RGB-Dセンサの導入に関する研究 本研究課題を進めている課程で、通常のRGB画像に加えて、奥行き情報を取得することができる、いわゆるRGB-Dカメラの高性能化・低価格化が急速に進み、昨年度中に本研究課題に導入するための検討を行い、較正を行うことで十分計測に用いることが可能であることを明らかにした。本年度は校正のアルゴリズムの確立と、ソフトウェア化を行い、3次元情報の歪みを大幅に軽減できることを確認した。また、複数カメラ間の外部パラメータについても、同一の平面を複数の姿勢で観測することにより相対的な位置関係を決定する方法を開発し、簡便且つ精度良く較正することを可能にした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究期間の3年目となる本年度は、2年目の成果をベースに、当初計画していた課題をクリアすることが出来た。システム全体の検証を進めると同時に、更なる性能の向上を狙った要素技術の開発も順調に進めることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
ここまで概ね順調に研究が進展しているので基本的には引き続きこれまでと同様の方法で進める。成果は、学会発表・論文等を通して積極的に情報発信する。これまでの研究により、リスク評価をより適切に行うためには車載及び環境固定センサによる人物検出及び動線検出・解析技術を導入することが望ましいと判断したので、これらについても今後研究を進める予定である。
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Causes of Carryover |
人件費を計上していたが、アルゴリズム開発及び実験を優先的に進めたため、今年度に関しては雇用者を必要とする作業が発生しなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度において、当初予定していた人件費を中心に速やかに使用する計画である。
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