2013 Fiscal Year Annual Research Report
人文社会科学系大学教育の内容・方法とその職業的レリバンスに関するパネル調査研究
Project/Area Number |
24330232
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
本田 由紀 東京大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (30334262)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 高康 東京大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (30291321)
上西 充子 法政大学, 公私立大学の部局等, 教授 (80366830)
濱中 義隆 国立教育政策研究所, その他部局等, 研究員 (10321598)
小山 治 同志社大学, 商学部, 助教 (50621562)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | レリバンス / 大学教育 / 人文社会系 / カリキュラム / 教育方法 |
Research Abstract |
平成25年度は、パネル調査の第1波として、法律学・教育学・社会学の3分野の大学3年生に対してウエブ調査を実施した。調査内容としては、初年次教育・専門基礎教育・実習・専門教育のそれぞれに関して、授業方法を詳細に把握したことが特長である。 調査時期は2013年10月から2014年1月で、大学教員経由で学生に調査依頼を行う形式で実施したが、回答負担が大きかったためか回収数は約450ケースに留まった。ケース数の少なさを補うため、平成26年度にはこの450ケースに加えて新たに大学4年次から追跡するサンプルを別途確保することを計画している。 ケース数は限定されているが、暫定的な分析結果によれば、初年次教育・専門基礎教育・実習・専門教育の各々が大学3年次の多面的な能力自己評価に及ぼす影響関係が3つの分野によって異なっていることが把握され、大学教育の効果やレリバンスが学生において発現するメカニズムには学問分野の知識特性に即して相違があることが明らかになった。こうした学問分野別の大学教育を、カリキュラムや授業の内容・方法に詳細に立ち入って把握した調査は他に例を見ない。 また平成25年度には、前年度にプレ調査として実施した3分野の大学教員および大学生に対するヒアリング調査の分析結果について、プロジェクトメンバーから5名が日本教育社会学会大会において研究発表を行った。たとえば社会学分野に関しては、カリキュラムに占める必修授業の比重や、社会調査教育の学年配当のあり方、ゼミの実施方法などが、いずれも教育成果を左右するものでありながら、大学組織運営上、容易には解決しにくい課題を含んでいることを指摘した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画通り、平成24年度にはプレ調査、平成25年度にはパネル調査の第1波調査を実施したという点では順調に進行している。しかし、第1波調査で回答が得られたケース数が当初計画をかなり下回るものであったことから、平成26年度以降にケース数を補うための追加的な調査が必要であることが、目的の達成という点では課題となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画通り、平成26年度は大学4年次、27年度は卒後1年目、28年度は卒後2年目の調査を実施する。平成26年度は、平成25年度の第1波調査の回答サンプルに加えて、大学教員経由での大学生への調査依頼の限界を補うために、インターネット調査会社のモニターの中で本プロジェクトの研究目的に合致する、法律学・教育学・社会学を専攻する大学4年生をスクリーニングし、大学4年時点を起点とするパネル調査を実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度に実施した調査においては調査回答者に対して図書カード1000円のインセンティブを与える設計になっていたが、予定していた回答者数を実際の回答者数が下回ったため、インセンティブに充てることになっていた予算に余剰が生じた。 平成25年度調査で不足した回答数を平成26年度における追加調査で補う必要があるため、その追加調査のために使用する。
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Research Products
(6 results)