2013 Fiscal Year Annual Research Report
出生後早期の臍帯血細胞移植による未熟肺血管床発育動態に関する研究
Project/Area Number |
24390331
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
北川 哲也 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (80240886)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北市 隆 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (20335813)
中川 竜二 徳島大学, 大学病院, 助教 (10403685)
前田 和寿 独立行政法人国立病院機構四国こどもとおとなの医療センター(臨床研究部(成育)、臨, その他部局等, その他 (30294680)
菅野 幹雄 徳島大学, 大学病院, 医員 (70563807)
中山 泰介 徳島大学, 大学病院, 医員 (80582791)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 臍帯血 / 細胞移植 / 未熟肺血管床 |
Research Abstract |
本研究の肺血管床減少性レシピエント動物モデルとしては、免疫欠損(BALB/c Slc- nu/nu)においてモノクロタリン(MCT)誘発肺高血圧モデルマウスを用いた。 本施設倫理委員会の承認下に、本研究に対する同意を得た産婦(ヒト)の分娩時に臍帯静脈血を採取した。ヒト臍帯血細胞の解析ではCD34+、CD45+、CD133+前駆細胞は全体の1.02%を占め、0.25ml中にそれらを2.57%に濃縮された1×107個の単核球細胞を含む投与液として調整した。 肺高血圧モデルマウスにヒト臍帯血細胞を眼窩静脈より移植すると、心筋リモデリングの携帯観察やマウス心エコー法による肺動脈血流波形の加速時間acceleration time: AT (msec)と駆出時間ejection time: ET(msec)の比AT/ETの検討から、肺血管の再生に伴って肺血管床を改善できることを確認した。また、その効果発現にはヒト臍帯血の血清成分ではなく移植細胞自体が必要であった。次に移植したヒト臍帯血細胞をDi-I(カルボシアニン蛍光)にてラベルし、レシピエントマウス肺内での存在、動態(viability, activity)を、移植10分後、30分後、3時間後と徐々に蛍光は減少するが、移植細胞は肺小動脈内皮細胞の近傍に検出された。肺組織のRT-PCRでは、臍帯血中単核球注射後肺内のVEGF及びVEGF-Rの遺伝子発現の低下が一時的に認められた。現在、バイオイメージング法により肺組織内で血管新生のために動員された細胞の起源を特定する研究を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、“出生後早期の臍帯血細胞移植による未熟肺血管床発育動態について研究”し、特に下記の1-3を当初の目的としている。 1. 分娩時に低肺血流性先天性心臓病患児の自己臍帯血を採取し、分娩後の診断確定後、自発呼吸が開始され肺血流量が増加しはじめた可及的24時間以内に静脈管から臍帯血細胞移植を行い、未熟肺血管床をより発育させて低肺血流性心臓病の修復治療を有利にすることを最終的な目的とする。 2. 未熟あるいは低容量肺血管床が臍帯血細胞移植や骨髄幹細胞移植により同程度に発育、増大するか研究する。 この2点に関しては、研究実績の概要で述べているように、本研究に対する同意を得た産婦(ヒト)臍帯静脈血からCD34+、CD45+及びCD133+単核球細胞の豊富な移植液を調整し、肺血管床減少性レシピエント動物モデルマウス〔免疫欠損(BALB/c Slc- nu/nu)〕のモノクロタリン誘発肺高血圧モデルマウスに移植すると、肺血管の再生に伴って肺血管床を改善できることを確認した。また、その効果発現にはヒト臍帯血の血清成分ではなく移植細胞自体が必要であった。 3. その肺血管床改善効果の機序について、経静脈的に移植した臍帯血細胞あるいは骨髄幹細胞の行方と役割について明らかにする点については、ヒト臍帯血細胞をDi-I(カルボシアニン蛍光)にてラベルして移植すると、10分後、30分後、3時間後と徐々にマウス肺内の蛍光は減少するが、移植細胞は肺小動脈内皮細胞の近傍に検出された。肺組織のRT-PCRでは、臍帯血中単核球注射後肺内のVEGF及びVEGF-Rの遺伝子発現の低下が一時的に認められた。現在、バイオイメージング法により肺組織内で血管新生のために動員された細胞の起源を特定する研究を行っている。よって、達成度は「(2)おおむね順調に経過している」と判定した。
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Strategy for Future Research Activity |
a) 更に移植したヒト臍帯血細胞の体内動態と分布を見るため、蛍光標識したヒト臍帯血単核球細胞をIVIS imagingを用いて追跡する。臍帯血を投与したモノクロタリン肺高血圧マウスと投与しない肺高血圧マウス群において、それぞれ臍帯血投与10分後、30分後、1時間後、3時間後、6時間後及び24時間後の体内臓器分布、特に肺組織への局在について多角的に追跡研究し、b)肺血管床改善効果の機序について、移植細胞の役割とパラクライン効果等について検討し、c) 本年度は最終年度であるので、得られた結果を取りまとめて成果発表を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
移植したヒト臍帯血細胞の体内動態や分布に関する追加研究、及び肺血管床改善効果機序解明のためのマウス肺組織等のサイトカイン測定経費とするため。 追加実験(免疫染色)用試薬及び物品に約335,000円、追加実験(ウエスタンブロッティング)用試薬及び物品に約257,000円を使用する計画である。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Role of macrophage-derived Hypoxia-Inducible Factor (HIF)-1α as a mediator of vascular remodeling2013
Author(s)
Taisuke Nakayama, Hirotsugu Kurobe, Noriko Sugasawa, Hajime Kinoshita, Mayuko Higashida, Yuki Matsuoka, Yasushi Yoshida, Yoichiro Hirata, Mie Sakata, Mark Maxfield, Yousuke Takahama, Masataka Sata, Toshiaki Tamaki, Tetsuya Kitagawa, Shuhei Tomita
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Journal Title
Cardiovasc Res
Volume: 99
Pages: 705-715
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Protective effects of selective mineralocorticoid receptor antagonist against aortic aneurysm progression in a novel murine model.2013
Author(s)
Kurobe H, Hirata Y, Matsuoka Y, Sugasawa N, Higashida M, Nakayama T, Maxfield MW, Yoshida Y, Shimabukuro M, Kitagawa T, Sata M
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Journal Title
J Surg Res
Volume: 185
Pages: 455-462
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Macrophage-Specific Hypoxia-Inducible Factor (HIF)-1α-Deficient Mice Suppress the Vascular Remodeling and Regulate M2 Macrophage Polarization.2013
Author(s)
Taisuke Nakayama, Hirotsugu Kurobe, Noriko Sugasawa, Hajime Kinoshita, Yasushi Yoshida, Yoichiro Hirata, Mie Sakata, Mark Webster Maxfield, Michio Shimabukuro, Yousuke Takahama, Masataka Sata, Toshiaki Tamaki, Tetsuya Kitagawa, Shuhei Tomita
Organizer
American Heart Association AHA 2013
Place of Presentation
Dallas Convention Center(アメリカ テキサス州ダラス市)
Year and Date
20131116-20131120