2012 Fiscal Year Research-status Report
体育授業における教師の言語的相互作用の適切性に関する研究
Project/Area Number |
24500698
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
上原 禎弘 兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (80552380)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 国際情報交換 |
Research Abstract |
これまで、小学校高学年期の体育授業において学習成果(態度得点)を高める教師の言語的相互作用として特定の8つの品詞の用い方、すなわち体育授業の<文法>が存在していることが報告されている。そこで、本研究では小学校低学年期と中学校期の教師の言語的相互作用の比較から、その共通性と異質性について検討を加え、義務教育段階における体育授業の<文法>の構造とその規則性について考察する。 昨年度の計画は、まず小学校低学年期の学習成果(態度得点)を高めた学級群とそうでない学級群の教師の言語的相互作用を品詞分析により比較し、低学年期の品詞の用い方を検討することであった。しかしながら、調査研究協力校の関係で、4学級の授業記録の収集と品詞分析による検討のみが行われた。対象授業の内訳は、2年2学級カバディ(開放的スキル教材)と3年2学級マット運動(閉鎖的スキル教材)であり、4学級いずれも態度得点の高い学級であった。そのため、低学年期内での比較という方法は採れず、先行研究の高学年期の態度得点の高い学級群との比較・分析を行い、その共通性と異質性を考察したという状況である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度は、小学校低学年期の「幅跳び遊び」(2年)と「幅跳び」(3年)を対象に学習成果(態度得点)を高めた学級群とそうでない学級群の教師の言語的相互作用を品詞分析により比較し、低学年期の品詞の用い方を検討することであった。 しかしながら、研究協力校の都合により、2年2学級カバディ(開放的スキル教材)と3年2学級マット運動(閉鎖的スキル教材)であり、4学級いずれも態度得点の高い学級とあった。そのため、低学年期での比較は行えず、先行研究の高学年期の態度得点を高めた学級との比較・分析という方法を採った。その結果、学習成果(態度得点)を高めた低学年期の教師の言語的相互作用は高学年期と同様に、子どもの多様な運動の感じの発生とその深化を促進させる働きを有するものと考えられた。加えて、低学年期では、子どもの工夫した動きを認めて授業の雰囲気を盛り上げながら、課題把握場面では子どもの課題を明確にさせ、課題解決場面では動きのイメージを具体化させていることが特徴として認められた。 ただし、次年度は低学年期のデータ(閉鎖的、開放的スキル教材を含む)をさらに収集し、低学年期の教師の言語的相互作用について検討する必要がある。
|
Strategy for Future Research Activity |
低学年期の態度得点の高くない学級のデータ(閉鎖的、開放的スキル教材を含む)を収集し、品詞分析により比較し、低学年期の品詞の用い方をさらに検討する。 中学校期の学習成果(態度得点)を高めた学級群とそうでない学級群の教師の言語的相互作用を品詞分析により比較し、中学校期の品詞の用い方を検討する。その際、対象授業は走り幅跳び(閉鎖的スキル教材)だけでなく、開放的スキル教材も対象とする。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度、低学年期の態度得点の高くない学級のデータが収集できておらず、併せて今年度は、中学校期のデータを収集するために、調査協力校を訪問する回数を増やし、調査・研究するために次年度の研究費を使用する。
|