2012 Fiscal Year Research-status Report
内臓脂肪組織における免疫システムの改善を介した食品成分の食餌性肥満軽減機構の解明
Project/Area Number |
24501024
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
Principal Investigator |
小堀 真珠子 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品総合研究所・食品機能研究領域, 上席研究員 (50353941)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ケルセチン / 肥満 / 内臓脂肪組織 / 免疫 |
Research Abstract |
肥満による高血糖と免疫システムとの関係を明らかにするため、グルコースがHMC-1及びLAD2ヒトマスト細胞に及ぼす影響を検討した結果、グルコースは、HMC-1細胞において炎症性サイトカインであるTNFα、IL-1β及びIL-6等の発現を誘導し、またLAD2細胞においてTNFαの産生や脱顆粒を促進して、ヒトマスト細胞の活性化を誘導することが明らかになった。また一方、これまでの研究から高脂肪食が脂肪組織において免疫及び炎症に関わるサイトカイン等の遺伝子発現を誘導することが示唆された。そこで、フラボノイドのケルセチンの内臓脂肪組織における免疫システム改善効果を明らかにするため、高脂肪、高コレステロール、高脂肪食である西洋型食にケルセチンを添加してマウスに20週間自由摂取させ、精巣周囲脂肪組織の遺伝子発現をRT-PCR法を用いて測定した結果、ケルセチンは西洋型で誘導されるTNFα及びアディポサイトカインであるレプチンの発現を抑制することが明らかになった。さらにケルセチンは西洋型食で誘導されるTNFα及びレプチンの血中濃度の上昇を抑制した。そこで現在、西洋型食及びケルセチンがその他のサイトカイン等の発現に及ぼす影響を検討している。 また、西洋型食にケルセチンを添加してマウスに20週間自由摂取させた後、精巣周囲脂肪組織より免疫担当細胞を含む間質血管細胞群を採取してフローサイトメーターを用いてT細胞バランスを測定したが、西洋型食及びケルセチンによるT細胞バランスの変化は認められず、西洋型食がT細胞バランスに及ぼす影響は少ないことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画に従い、ケルセチンが内臓脂肪組織の免疫、炎症関連遺伝子の発現変化に及ぼす影響を検討したが、数回にわたり食餌性肥満モデルの再現性を確認したため、現在も測定が継続中であるため、また西洋型食によるT細胞バランスの変化とケルセチンによるその抑制効果を予想して研究を行ったが、これらの変化が認められなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
H24年度に続き、ケルセチンが内臓脂肪組織の免疫、炎症関連遺伝子の発現変化に及ぼす影響をRT-PCRまたはDNAマイクロアレイを用いて検討することにより、西洋型食による免疫システムの変化とケルセチンによる抑制効果及びその特徴を明らかにし、その結果に基づいて、ケルセチンの内臓脂肪組織における免疫システム改善効果及びその作用機構を明らかにする。また、合わせてケルセチンのマスト細胞活性化抑制効果を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究課題の推進のため、次年度の研究費は交付申請時の計画通り使用する。
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Research Products
(1 results)