2014 Fiscal Year Annual Research Report
内臓脂肪組織における免疫システムの改善を介した食品成分の食餌性肥満軽減機構の解明
Project/Area Number |
24501024
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
小堀 真珠子 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品総合研究所食品機能研究領域, 上席研究員 (50353941)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ケルセチン / 肥満 / 内臓脂肪組織 / 免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
コントロール食、西洋型食またはケルセチン添加西洋型食を18週間摂取させたマウスの精巣周囲組織の間質血管細胞をT細胞、ヘルパーT細胞及び細胞障害性T細胞のマーカーであるCD3、CD4及びCD8の抗体で染色し、フローサイトメーターを用いて測定した結果、西洋型食摂取によるCD4+細胞の割合の低下が、ケルセチンにより抑制されることが明らかになった。このようにケルセチンはマクロファージの活性化等に関わるCD8+T細胞の割合を低下させたが、RT-PCRを用いた遺伝子発現解析では、西洋型食により炎症に対する抑制性サイトカインであるIL10の発現が誘導され、ケルセチンにより抑制されること等も明らかになった。DNAマイクロアレイを用いた遺伝子発現の網羅解析の結果等から、ケルセチンは西洋型食で誘導されるマクロファージ、T細胞、マスト細胞等の免疫細胞の増加や活性化を抑制すると共に、TNFα及びIFNγを介する作用を広く抑制すると考えられる。遺伝子発現の網羅解析の結果は、ケルセチンは特にフリーラジカル消去能が強いことを示していた。 脂肪組織の免疫細胞に対して有効なケルセチン量を検討するため、脂肪組織のケルセチン及びその代謝産物の含量を測定した結果、0.05%ケルセチン含有西洋型食を18週間摂取したマウスの脂肪組織のケルセチン及びケルセチン代謝産物量は極めて少なく、ケルセチンは主として活性酸素種の除去等を介して、免疫細胞の増加や活性化を抑制すると考えられた。
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Research Products
(1 results)