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2012 Fiscal Year Research-status Report

電子教材の長期利用を意図した学習システムの開発と複合的学力育成に関する研究

Research Project

Project/Area Number 24501170
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionNational Institute of Technology, Toyama College

Principal Investigator

成瀬 喜則  富山高等専門学校, 国際ビジネス学科, 教授 (00249773)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 宮地 功  岡山理科大学, 総合情報学部, 教授 (30043722)
早勢 欣和  富山高等専門学校, 電子情報工学科, 准教授 (60238144)
栂 伸司  富山高等専門学校, 商船学科, 教授 (90270248)
Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords国際情報交換 / ロボットカー / 他者評価 / 意思決定 / 課題解決型学習
Research Abstract

ICTや共同学習を取り入れた課題解決型学習について調査した.留学生と共同で考える授業でも,他の学生のアイデアを評価しながら考えることで,やり遂げようとする力や実行する力がつくことがわかっている.そこで,他の学生がロボットカーへ入力したデータに対して,入力データの意図や走行結果を予測させ,実際の走行結果と比較させた.その後,各自でロボットカーを動かすデータを作成させた.その結果,特に,他者データを分析する活動や他者へ説明する活動,入力データを作り出す活動はさまざまな能力を育成する上で大変有効であることがアンケート結果からわかった.この実践から,学習教材であるロボットカーを使って,有効な学習デザインを考えることによって,データの長期利用学習が可能になることが明らかとなった.さらに,入力データと出力データのデータベース化および学習成果のポートフォリオ化が可能になるような方法について検討を進めた.入力データの根拠となる戦略,出力データに関する考察も含めたデータベース化が必要である.
次に,学習にバリエーションを持たせるために,傾斜のある走行コースを作成した.さらに,コース上に走行路を作り,その上を走行する列車(ロボットトレイン)を開発した.また,走行評価を教師が自由にカスタマイズできるシステムの開発を行った.①走行した距離と目的地までの距離の相違,②走行時間と制限時間との相違,③未消費エネルギーを評価項目として,走行結果を入力すると評価得点が表示されるようにした.①~③に対して重要度をつけて,評価方法に柔軟性を持たせた.この手法についての基本的な考え方は意思決定理論を使っている.教師が授業目的に合わせてWeb上でカスタマイズできるように改善した.
海外教育機関と共同学習が可能になるように,英国北アイルランドのカレッジとも連携をとっており,テレビ会議の活用の重要性がわかってきた.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

教材の長期利用が有効な学習として成立するためには,他者の学習成果を利用して学習する方法の検討が必要であった.本実践では,まず,同学年の学習者の学習成果を活用して,その学習者がどのような戦略で入力データを作成したか,どのような結果が得られているかを予想させる学習実践を行い,十分な教育効果が得られることがわかった.さらに,実践では,これまで学習してきた専門的な知識を活用して考えることを求めており,学習者は物理や機械工学の基本的な知識を活用していることもわかっている.すなわち,このような学習を異学年の学習者間にも広げることによって,より深い学習が可能になることを示唆しており,十分な学習成果を上げることが可能であることがわかった.今後,異学年の学習者の学習成果をどのように活用させることが有効であるかを研究する必要があることもわかっており,当初の研究目的到達に近づいていることも明らかとなった.
教材であるロボットカーの改良も順調に進んでいる.これまでのロボットカーでは,駆動させるためのバッテリーや走行を制御する電子回路への供給バッテリーを車に搭載していた.本研究では,線路上に電圧をかけて車(ロボットトレイン)が走行できるように改良したため,より正確に制御することが可能になっている.ロボットトレインと制御用コンピュータとは一部有線で接続されているが,無線化することを検討したい.現在,Webからプログラムデータを入力して,走行結果も得られるようなシステム設計も進んでいる.平成25年度には完成する予定であり,おおむね順調に進んでいる.
また,海外教育機関とも連携をとって研究を進めている.上記のWeb操作が可能になれば海外教育機関との共同学習も可能になる.そのための準備もおおむね順調に進んでいる.

Strategy for Future Research Activity

1.ロボットカー等を使った共同実験において,複数種類の考察が必要な教育活動を学習者に提示し,ICTを効果的に使うことによって解決する場面について検討する.これまでは,走行後に得られる結果は,走行距離,走行時間,消費エネルギーの3種類であったが,走行を総合的に評価する評価式や,走行時の映像の表示も可能にして,さまざまな角度から走行について考えさせるようにしたい.
2.中学生あるいは低学年高専生が学習して考えた入力データ,出力データを,高学年高専生や大学生が制御工学や最適化理論を元にして評価する授業実践をデザインする.そのために,ロボットカーやロボットトレインを使って学習できる内容をリストアップして教材化を図る必要がある.そのために,下記の4項目について検討したい.
(1)中学校の技術家庭科での学習への適用(電気・機械を総合的に学習)(2)高専の専門教科の学習への適用(電気・電子,情報,経営情報,最適化を総合的に学習)(3)外国(PBLを重要視している英国,シンガポール等)との協働学習(4)eラーニング,ブレンディッドラーニングを取り入れた学習
なお,学習の有効性の確認としては次の方法を考える.(1)使用する教員へのインタビュー(2)学習者に対する自己評価アンケート調査(事前と事後) (3)海外協力校の教員へのインタビューおよび教育内容調査(カリキュラムでの位置づけ,PBLの方法について教員と議論を行う)
2.遠隔地からロボットカーを制御できる遠隔制御システムを開発する.Webからのデータ入力,走行状況の確認,出力データの確認などの一連の活動ができるように配慮する.さらに,複数の学習者が連続してWebから入力した場合でも,順次処理が可能になるように配慮する.
3.海外協力校のクラスとの共同学習も可能にするため,学習デザインについて協議し,協力を得る.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度使用額(350,769円)は,2013年3月に米国で開催されたThe Society for Information Technology and Teacher Education 2013 The24th International Conferenceで発表しており,その旅費で使用する.
なお,次年度はさらに下記の内容で使用することを計画している.
(1)ロボットトレインを完成させるための物品費:現在,ロボットトレインとコンピュータは一部有線で接続されている.また,ロボットトレインの制御と稼働の両方を線路で行っているために,一部改良する必要がある.
(2)eラーニング教材や遠隔制御のための物品費:教材(ロボットカー及びロボットトレイン)を長期間の学習に利用できるようにするために,eラーニング教材を検討する.また,インターネットから制御を可能にしたい.そのために必要なネットワーク関連物品を購入する必要がある.
(3)海外協力校(英国,シンガポール等)への研究打ち合わせ旅費及び成果発表:海外協力校と共同学習を進めるために現地教員と授業実践方法について打ち合わせを行う. これまでの議論の結果,学習スタイルが大きく異なっていることがわかっている.そこで,日本と海外協力校の両学習スタイルを尊重しながらも学習が成立するように学習デザインを構築する必要がある.そのために打ち合わせを綿密に行いたい.
(4)研究成果発表のための国内旅費および海外旅費:次年度の研究成果を国内学会や国際学会で発表する.

  • Research Products

    (2 results)

All 2013 2012

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Educational Effect on Analyzing Others’ Experimental Products2013

    • Author(s)
      Naruse Y., Miyaji, I., Toga, S., Hayase, Y., Hayakawa, Y.
    • Journal Title

      The Society for Information Technology and Teacher Education 2013 The 24th International Conference

      Volume: - Pages: 3996-4000

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 企業との連携によるビジネスモデル作成授業の改善2012

    • Author(s)
      成瀬喜則,清水真
    • Organizer
      電子情報通信学会技術研究報告
    • Place of Presentation
      岡山理科大学
    • Year and Date
      20120929-20120929

URL: 

Published: 2014-07-24  

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