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2013 Fiscal Year Research-status Report

妊娠中の大気汚染曝露が次世代アレルギー疾患発症におよぼす環境影響評価と制御機構

Research Project

Project/Area Number 24510035
Research InstitutionNara Medical University

Principal Investigator

濱田 薫  奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (80228535)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 須崎 康恵  奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (30382302)
庄 雅之  奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (50364063)
Keywords気管支喘息 / 大気汚染 / 環境影響評価 / ディーゼル燃焼灰燼 / 石油燃焼灰燼 / 喫煙 / エピジェネティクス
Research Abstract

妊娠中の大気汚染粉塵曝露により、出生した幼若マウスは抗原感作が促進され発育時に過度のTh2系優位状態をきたし、その後の抗原気道チャレンジによって容易に気管支喘息病態を示す(=疾患感受性が高い)ことをこれまで報告してきました。具体的には、正常妊娠Balb/cマウスの妊娠後期の3日間、たばこ2本分の主流煙溶出液をエロソール曝露しました。出生した仔マウスに3日齢で卵白アルブミン(OVA)1マイクログラム+Alum 0.1mgを腹腔内投与する(腹腔内感作)か、あるいは4日齢から13日齢まで連続して1%抗原溶液のエロソール曝露を行う(経気道感作)ことにより抗原感作を試み、5週齢で3日間抗原溶液1%溶液をエロソール曝露し、その後に喘息病態を評価しました.この結果どちらの感作方法でも、妊娠中に曝露を受けた母親から生まれた仔マウスは喘息疾患感受性が亢進していると考えられました。すなわち妊娠中の喫煙は次世代の喘息発症に促進的に作用することをマウスモデル実験で示したと言えます。本研究課題では、妊娠中の喫煙が次世代のみならずさらに次の世代の幼若マウスの喘息感受性を亢進させるか否かを検討し、その機序を解明することが主題ですが、上記のモデルを用いて検討したところ、すなわち、妊娠中にCSE曝露を受けた妊娠マウスから生まれた雌マウス(CSE/F0群)を無処置で成熟させ、健常雄マウスと交配させ、出生した仔マウス(CSE/F1群)に対し先述のプロトコールで感作を試みたところ、このCSE/F1群のマウスは無処置対照群と異なり著しい喘息病態を呈し、タバコ煙による喘息感受性亢進が次世代に引き継がれることが示されました。またこの結果はこの実験モデルは世代を超えたリスク評価に有用であることを示したと考えています。これを用いPM2.5の主成分である石油やディーゼル燃焼灰燼の次世代に対するリスク評価を行う予定です。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

現在までの達成度・今後の推進方策 : 現在までの達成度は予定よりやや遅延しています。この理由には研究代表者の健康問題再燃と、陰性対照群の結果のばらつきが挙げられます。幸い新たな共同研究者の協力が得られることとなり、精力的な研究施行が可能となりました。

Strategy for Future Research Activity

今後の進展方策は、まず各評価点におけるマウスの免疫学的状態の把握で、すなわち機序の解明への試みということになります。特に、CSE/F0群およびCSE/F1群の出生直後からの背景の免疫状態の経緯について血性、血漿中の蛋白レベルでのサイトカイン産生能の評価、脾細胞のmRNAレベルでのプロファイル、CD25抗体やFoxP3抗体を用いた調節型T細胞の変化などに焦点をあてて検討する予定です。またこの喘息発症感受性の次世代への伝達はやはりエピジェネティクス変異がその役割を果たしている結果と考えられ、パイロシーケンス法を用いた解析を試みる予定です。さらにPM2.5の主成分であるROFAやDEPの曝露実験を同様に行い、現在の公衆衛生的問題点の一つとして今後の発展、社会的貢献につながる計画を立てています。遅れを回復させ、今年度末には学会発表や紙上発表を行えるよう精力的な実施予定を検討中です。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

進行状況がやや遅延していることの理由として記載しましたように、研究代表者の健康問題がありましたが、平成25年度末から精力的な活動を再開しており、また新たな共同研究者の協力が得られこととなり、具体的な計画を立てているところです。
今後の計画推進に際して設備・機器の新規購入の必要は無く物品費の内容は動物購入飼育(250,000円)、細胞培養とRT-PCR解析(50,000円)、その他免疫学的あるいは遺伝子実験などの費用(700,000円)病理標本作製・染色費用(100,000円)が主体となり、その他研究発表のための旅費、投稿費用等になります。

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Published: 2015-05-28  

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