2013 Fiscal Year Research-status Report
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24520842
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
松本 悠子 中央大学, 文学部, 教授 (30165914)
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Keywords | フランス植民地兵 / アフリカ系アメリカ人兵 / YMCA / デュボイス |
Research Abstract |
フランスの第一次大戦およびその後に出された古書をを含み、フランスにおける植民地兵の歴史およびアメリカ兵の受け入れに関する資料と研究書を収集し、分析をはじめた。また、昨年度にフランスで収集した軍関係の資料も解読をはじめた。アメリカ側に関しても、文献を収集するとともに、9月には、ミネソタ大学にあるYMCAの資料を1週間の滞在で集中して読み、必要な資料を入手した。とりわけ、前線ではなく物資の支給や兵士の余暇、あるいは医療に携わったYMCA の活動において、アメリカ社会でみられた人種意識がどのように影響したかに関して、多くの資料を入手することができた。更に、アフリカ系アメリカ人がフランスにおける人種のあり方や意識をどのように受け取ったかを、アフリカ系アメリカ人の新聞で確認するために、マイクロフィルムで「クライシス』紙の第一次大戦前後の部分を入手することができた。この新聞とアフリカ系アメリカ人運動の指導者で、パリで人種に関する会議を開催する等ヨーロッパにも活動の範囲を拡大していたデュボイスの動向を探ることによって、アフリカ系アメリカ人が何故フランスの方がアメリカより人種差別が少ないと感じたのかを明らかにすることができる。このように、3種類の視点を行き来しているため、未だ人種意識と国民の関連に関する明確な比較としてはまとまっていないが、じっくりこれらの資料を比較することによって、新たな視点をつかむことができると考えられる。なお、同時にアメリカ側の人種意識に関する研究として、日系アメリカ人に関する論文がハワイ大学から出版される予定のTranspacific Japanese American Studies eds. by G. Okihiro and Y.Takezawaに掲載されることが決まり、その原稿の推敲に多くの時間を使った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
フランスのエクサンプロヴァンスにある資料館で植民地関係の資料を集める予定をしていたが、公務および私的な理由で渡仏することができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、アメリカの国立公文書館およびエクサンプロヴァンスの資料館でアメリカ軍およびフランス植民地群の資料を収集し、第一次大戦のフランスにおける人種のあり方を比較検討する土台を完成させたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
フランスでの資料収集を計画していたが、公務および私的理由で実行できなかった。また、大型資料に関しても、年度内の入手ができなかった。 今年度は、アメリカのワシントンD.C.にある国立公文書館とフランスのエクサンプロヴァンスにある資料館で資料を収集する。更に、懸案のデュボイス関係の大型資料を入手する。
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