2014 Fiscal Year Research-status Report
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24520842
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
松本 悠子 中央大学, 文学部, 教授 (30165914)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | フランス植民地兵 / アメリカ合衆国 / 第1次世界大戦 / アフリカ系アメリカ人兵 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、米仏の第1次世界大戦における人種の問題に関する参考文献を広く収集した。また、夏休みには、フランスのエクサンプロヴァンスにあるフランス海外県文書館に1週間資料の収集に出向いた。この文書館は、広くアフリカ、カリブ海、インドシナのフランス植民地の資料とフランス植民地からフランス本土に移動した人々の資料が集められている。今回は、第1次世界大戦時のフランス本土へのアフリカ、インドシナ植民地からの兵士と労働者の移動とフランスでの状況に関する資料を中心に収集した。この文書館の資料は、その前に訪れたパリの軍関係の文書館と異なり、植民地からどのように第1次世界大戦を体験したかという資料が多いため、フランスの人種主義の実装に触れることができた。今後、さらに収集した資料を分析して、フランス政府側からは見ることができない人種の問題を明らかにする予定である。さらに、特に英語圏の参考文献を用いて、「もう一つの第1次世界大戦ーー『人種』の諸相の米仏比較(1)」中央大学文学部紀要「史学」60号(2015年3月)をまとめた。この論文は、全体の研究史の1部にあたる。フランスの研究者の多くがフランスの人種主義の歴史をあまり重視しないことに疑問を持つ英語圏の研究者は第1次世界大戦のフランス本土における多人種の兵士と労働者の出会いがフランス本土にどのような影響を与えたかという研究を多くまとめている。しかし、これらの研究がフランスの研究に反映されているかというと、我が国のフランス史研究者を見てもほとんど反映されていない。したがって、外から見たフランスの人種主義に関する研究史をまとめ、米仏比較の第1歩とするための論考をまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アメリカのアーカイヴスに行くことを予定していたが、できなかったので、少々遅れていると考えられる。ただし、収集した参考文献及び資料は、順調に分析が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度にあたるため、アメリカ合衆国の国立文書館での資料収集を第1に行い、同時に収集した参考文献と資料を分析して、論文にまとめる。
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Causes of Carryover |
2014年度にアメリカ合衆国の国立文書館に行く予定をしていたが、学会業務等で不可能になったため、次年度に繰り越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
アメリカ合衆国のこくり文書館において資料を収集する。もし可能ならば、引き続き参考文献も購入する。
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