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2012 Fiscal Year Research-status Report

旧萬年社所蔵資料による大阪の広告史研究

Research Project

Project/Area Number 24530638
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionOsaka City University

Principal Investigator

竹内 幸絵  大阪市立大学, 文学研究科, 非常勤講師 (40586385)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 土屋 礼子  大阪市立大学, 文学研究科, 客員教授 (00275504)
石田 佐恵子  大阪市立大学, 文学研究科, 教授 (70212884)
Project Period (FY) 2012-04-01 – 2016-03-31
Keywords広告史 / 歴史社会学 / デザイン史
Research Abstract

本年度は研究計画に示した①「旧蔵資料に直接あたりデータを整備する調査研究」(以下萬年社旧蔵資料調査)と、②「萬年社と大阪が広告史上果たした役割を俯瞰的に探求する研究」(大阪の広告史研究)の両軸で研究を推進した。
①については、整理の方針、すなわち資料分類やデータ項目を再整理した上で、このうちの「大型古資料」と「社史資料」の調査に着手した。
「大型古資料」は、大型の綴りに明治・大正期の広告現物が多数スクラップされている。今年度はこのうち「しかけちらし」を中心とした希少性の高い小型広告物の資料群の調査を行った。具体的には資料類のスナップを撮影、サイズ計測し、それらデータをファイルメーカーで作成したデータベースに投入した。これにより約1千点の資料の実際の姿がデータベースで確認可能となった。他に19世紀欧州大型リトグラフポスター及び、1990年代の大型ポスターの整理にも着手したが、欧州ポスターは状態が非常に劣化しており、折りたたんだ状態を広げることが困難で、養生するにとどまった。90年代ポスターは400枚程あり、半数の一覧を作成し終えた。「大型古資料」の調査成果の一部をパネルに生成し、日本広告学会においてパネル発表にて公表した。(日本広告学会クリエーティブ・フォーラム、於:立命館大学、5月12日)
一方「社史資料」と呼称している資料群は、黎明期広告会社の内部資料である。劣化した紙上に筆やペンで手書きされており、研究の用に供するにはまず書き起こしが必要である。本年度は戦前の資料に絞り、約10種類の文書を書き起こした。
②(大阪の広告史研究)は、研究会を3回開催した。開催日は2012年8月27日(月)、2012年12月3日(月)、2013年2月4日(月)。参加者は複数大学の研究者で、毎回10名強が参加、1名に報告をいただき、萬年社を含む大阪の広告史研究について意見交換した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

初年度の進捗遅れの主な原因は、①(萬年社旧蔵資料調査)のうちの19世紀欧州大型古ポスター群の調査の遅れである。これ以外は予定どおり進捗している。この大型古ポスター群は、調査を進めたところ予想より劣化が進んでいたため、本来考えていた作業、すなわちポスターを広げ、情報を採録し目録に投入する作業を実施することが出来なかった。本年度は折りたたんだままの養生にとどまった。この古ポスター群の目録完成で、萬年社旧蔵資料の目録が全て完成するが、このような事情からそれに至らなかった。
二年度はこれをふまえ、大型古ポスターの調査作業に当初予定よりも予算を使い、少なくとも広げる作業は実現し、目録に必要な情報の採録を実施したい。そしてどのような資料が含まれているかを確定し、萬年社旧蔵資料の全目録を完成したい。
②(大阪の広告史研究)については研究会の開催と、研究代表者個人の研究活動により、今後の方向性が確定できた。二年度はこれに基づき、「今後の研究の推進方策」に記載のとおり、より具体的な調査研究を実行したい。

Strategy for Future Research Activity

二年度も①(萬年社旧蔵資料調査)と、②(大阪の広告史研究)との両軸による研究を継続する。①は、まずファイルメーカーによるデータ管理方法を再検討する。本研究は、最終的に対象とする紙資料の全ての調査データをひとつのデータベースにより一元管理することをめざしているが、初年度調査により画像データが増加し、複数の研究補助者とともに分担して作業するにあたって、データ格納形式と、安全なバックアップの作成等の検討が必要となってきた。そこでデータ管理に詳しい研究補助者を年初から雇用し、この方法の検討に着手したい。方針検討後、可能であれば、これまで取得してきた (1)大型古資料の写真データと、(2)読み取りを実施してきた社史資料、及び、社史資料の表紙写真を、ひとつのファイルメーカーに統合する。また、この保存とバックアップを独立したハードディスク等パソコンの不備や作業者のミス等に影響されない安全な方法で行う。
これが実現した後に、今年度のデータ取得対象を検討・決定し、適切な作業者を雇用する。ここまでを9月ごろに完了と見込んでいる。
9月以降①(以下萬年社旧蔵資料調査)については昨年同様の調査をやや小規模で実施する。大型古ポスター群については広げる場所を確保し、所有者である大阪新美術館建設準備室の学芸員立会いの下、作業員を雇用し実施したい。また昨年度調査分の報告書(カタログブック)の作成にも着手する。
②(大阪の広告史研究)については、5月と7月に研究会を開催する(日程決定済み)。以降今年度も全3回の研究会を開催する。これとは別に、大阪の広告史研究に重要なキーパーソンからの聞き取り調査や資料館の訪問を実施したい。昨年の研究活動で、既に高齢となっている黎明期の広告人や広告制作者、芸術家らへのインタビューが重要で必要不可欠との認識にいたった。今年はこれを実施し、②(大阪の広告史研究)の道筋のひとつとしたい。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

①(萬年社旧蔵資料調査)のための研究費利用計画
(1)「推進方策」に記載の通り、年度初めにデータベースの整備、保管方法の検討を行うため、これに詳しい研究補助者の雇用人件費(通年)。(2)データベースの安全な保管のためのハードディスクの購入。(3)ファイルメーカー(アプリケーション)の購入 (4)カタログブックの作成(版下作成、印刷、発送費)(5)昨年同様の調査作業のための研究補助者の雇用人件費(9月から半年) (6)大型古ポスター群を広げるための場所借用代、作業員雇用人件費
②(大阪の広告史研究)の研究費利用計画
(1)研究会会場費、資料コピー代金 (2)キーパーソンからの聞き取り調査、謝礼、動向作業者雇用費用(3)テープおこしの研究補助者雇用費用 (4)その他外部資料の複写代

  • Research Products

    (5 results)

All 2013 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (4 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Journal Article] 萬年社のコレクションと黎明期のイベント企画活動―大阪の広告史研究序説―2013

    • Author(s)
      竹内幸絵
    • Journal Title

      民族藝術

      Volume: 29巻 Pages: 67-73

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 近代広告の誕生と大阪-萬年社コレクションから見る広告デザインの黎明

    • Author(s)
      竹内幸絵
    • Organizer
      第28回民族芸術学会大会
    • Place of Presentation
      大阪歴史博物館
  • [Presentation] 旧萬年社コレクションより 明治大正期のしかけちらしからみる広告の本質

    • Author(s)
      竹内幸絵
    • Organizer
      日本広告学会クリエーティブ・フォーラム
    • Place of Presentation
      立命館大学
    • Invited
  • [Presentation] 近代広告の誕生-雑誌広告界が果たした役割

    • Author(s)
      竹内幸絵
    • Organizer
      日本出版学会
    • Place of Presentation
      関西学院大学梅田サテライト
  • [Presentation] グラフィック・デザインに流れる前衛

    • Author(s)
      竹内幸絵
    • Organizer
      総合学術博物館創立10周年記念シンポジウム【オオサカがとんがっていた時代 大阪のアヴァンギャルド芸術 -焼け跡から万博前夜までー】
    • Place of Presentation
      大阪大学中ノ島センター

URL: 

Published: 2014-07-24  

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