2012 Fiscal Year Research-status Report
子育て困難な保護者への支援ネットワーク構築に向けた実践的条件に関する研究
Project/Area Number |
24531010
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
岩永 定 熊本大学, 教育学部, 教授 (90160126)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小坂 浩嗣 鳴門教育大学, その他の研究科, 教授 (20325301)
芝山 明義 鳴門教育大学, その他の研究科, 准教授 (10243742)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 支援ネットワーク / 文化資本 / 社会関係資本 / 貧困問題 |
Research Abstract |
研究の初年度ということもあり,第一に,まずは子育て困難な保護者の実態に関する先行研究に関する文献の読み込みと研究分担者・協力者間で意見交換を行い,本年度及び次年度に実施する調査対象の絞り込みを行った(9月:熊本大学)。その結果,当初予定していた保護者を直接に対象とした質問紙調査を実施することは困難であるとの結論に至り,検討の結果,各学校の養護教諭及び児童相談所相談員への質問紙調査を先行させることにした。 養護教諭を対象とした調査の着眼点としては,①子育て困難な児童・生徒の把握をいかなる方法を通じて行っているのか,②把握できた場合の学校の対応体制はどのようになっているのかを把握すること,③学校外の福祉機関,特に児童相談所との連携は取られているのか等について調べることとした。また児童相談所相談員への調査の着眼点としては,①子育て困難として相談所に寄せられる相談内容の傾向の把握,②その中における児童虐待の比率と通報者の傾向等の把握,③相談員として困難と感じていること等の把握を行うこととした。 第二に,養護教諭及び児童相談所相談員に対する具体的質問項目を検討するための研究会を実施した(3月:兵庫県私学会館)。その場合の視点として,上記の実態把握のための項目を入れることはもちろんであるが,子育て困難な保護者の支援という視点を考えて,各家庭の置かれている状況(文化資本)や地域社会の状況(社会関係資本)の実情が重要な要因となるとの結論から,それらの観点を入れ込んだ質問紙を作成することにした。3月以降,メール会議で質問紙調査票の作成作業を進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者が所属を変わったこと及び補助金交付が遅れたことにより当初の計画に若干の変更が生じた。また,新しく加わった臨床心理士の助言もあり,いきなり子育て困難な保護者への質問紙調査を実施することは困難であり,効果も薄いと考えて研究方向の変更を行ったことによる。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度は第一に,昨年度実施できなかった養護教諭及び児童相談所相談員に対する調査を6月から9月にかけて実施し,その分析結果を近接の学会にて発表する。そのために連休明けに第1回目の研究会を開催し,質問紙調査票を確定させる。 第二に,量的調査において把握できない複雑な実態をよりリアルに把握するためのインタビュー調査を企画・実施する。対象は上記の養護教諭,児童相談所相談員,子育て支援のNPO法人職員及び保健師などから,調査の目的に適合する人物を選定して行う。インタビューで得た発話プロトコルの文字化を通して分析を行い,これらの結果を近接の学会において発表する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は,研究代表者のコンピュータの入れ替え(Windows XPのサポート終了により)及び関連ソフトの購入のための物品費(15万円),研究会の開催とゲストスピーカーの招聘,学会発表2回に必要な旅費(35万円),質問紙調査票の作成・発送作業及びインタビュー調査の発話起こしのための謝金(15万円),会場借り上げ,複写費,紙代等のその他(5万円)を予定している。
|
Research Products
(3 results)