2013 Fiscal Year Research-status Report
子育て困難な保護者への支援ネットワーク構築に向けた実践的条件に関する研究
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24531010
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
岩永 定 熊本大学, 教育学部, 教授 (90160126)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小坂 浩嗣 鳴門教育大学, その他の研究科, 教授 (20325301)
芝山 明義 鳴門教育大学, その他の研究科, 准教授 (10243742)
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Keywords | 子どもの貧困 / 児童相談所 / 養護教諭 / 児童虐待 |
Research Abstract |
本年度は,主として以下の4点について研究活動を行った。第1に,虐待を含めた子どもの問題行動に対する児童相談所相談員の認識や地域における各関係機関との連携の実態に関する質問紙調査を実施した(8月)。 第2に,回収した質問紙調査票を連携研究者と役割分担しながら分析し,第48回日本教育行政学会大会(京都大学)においてその一部を発表した。主たる知見としては,問題を抱える子どもを発見するためには児童相談所は地域とともに幅の広いネットワーク形成を行う必要性があること,また家庭支援ネットワークを形成する上では学校が中心的な役割を担う必要性があるということである。 第3に,子育て困難な家庭と子どもの支援に関して養護教諭がどのような取組を行っているかを明らかにすることを目的に,2013年12月~翌1月にかけて質問紙調査を実施した。地域的偏りを除くために全国学校一覧から1,000校を抽出し対象校とした(東北被災3県は除外した)。調査内容は,児童生徒の問題行動の状況とその背景認識,予防的指導等の実施状況,学校外の地域・機関との連携状況等である。 第4に,データ分析の結果に関する検討会を分担者・連携研究者と開催した。検討の結果,より詳しい分析を行い,2014年の夏に開催される日本教育学会で発表することを決定した。また,検討の過程で議論となった量的研究では把握できない課題について,翌年度に地域を確定してインタビュー調査を実施することを確認した
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度に緻密な研究計画を立てていたこともあり研究への着手が比較的早くできたことと,2度にわたる質問紙調査も研究分担者・連携研究者の役割分担が的確にできたこと,担当者が精力的に動いてくれたことが研究進展の大きな要因であったと思われる。 また,学部の事務が予算執行の面で的確な支援をしてくれたことも大きい。
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Strategy for Future Research Activity |
H26年度は最終年度であるので,当初の研究目的を達成するために計画的に取り組みたい。第1に,H25年度に取り組んだ養護教諭調査のデータ分析を現在行っているが,それをまとめて8月開催予定の日本教育学会において発表する予定である。 第2に,量的研究では把握できない詳細について,特定の校区を設定して学校を抽出して,校長,生徒指導担当者,養護教諭,所管の児童相談所職員に対してインタビュー調査を実施する予定である。その事前準備を進めると共に内容についての検討会を開催する予定である。インタビュー内容はテープ起こしを行い,その結果を近接の学会において発表する予定である。 最後に,これまでの研究成果を総括し,子育て支援ネットワーク形成・発展の条件を探っていきたい。
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Research Products
(2 results)