2014 Fiscal Year Annual Research Report
子育て困難な保護者への支援ネットワーク構築に向けた実践的条件に関する研究
Project/Area Number |
24531010
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
岩永 定 熊本大学, 教育学部, 教授 (90160126)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小坂 浩嗣 鳴門教育大学, その他の研究科, 教授 (20325301)
芝山 明義 鳴門教育大学, その他の研究科, 准教授 (10243742)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 貧困問題 / 児童相談所 / 養護教諭 / 児童虐待 / 支援ネットワーク / 文化資本 / 社会関係資本 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究は,主として次の3点に要約することができる。 第1は,これまでの蓄積データを活用して子どもの学習意欲の規定要因に関する論文をまとめて投稿し,日本学習社会学会の年報に掲載された(査読有)。 第2は,平成25年度10月に実施した養護教諭に対する質問紙調査の結果をまとめ,日本教育行政学会第49回大会(東京学芸大学)において報告した。発表のタイトルは前回大会に引き続き「問題を抱える子どもへの組織的対応の実態と課題(2)―養護教諭と地域・関係機関との連携―」とした。この中では,①児童相談所や児童養護施設に問題を持ち込むほど重大ではなくても、心理的・身体的な発達課題を抱える児童・生徒の認知と対応は一定程度広まっていること、②虐待の疑いについても、養護教諭の目から認知されており、課題の裾野の広がりが感じられていること、③児童・生徒の問題の背景となる社会認識については、保護者本人の子育てに対する意識や配慮を問題視する見方はあったが、経済状況や、保護者のおかれた社会関係の欠如した状況なども、それに次いで意識されていることがあきらかとなった。 第3に,子育て困難な家庭に対して行われている家庭教育支援事業に着目し,和歌山県湯浅町教育委員会の取り組みである「とらいあんぐる」に関するインタビュー調査を実施した。本町は、地域住民の一人であるスクールソーシャルワーカーが中心となり、10数名の子育て支援員と「家庭教育支援チーム」を作っている。特徴的なのは、義務教育段階の子どもがいる家庭の全戸訪問を行い、家庭教育情報誌を配布するとともに、家庭の変化を捉え、悩み相談なども行なっていることである。定例会での情報集約や、学校とともにケース会議などが実施されていた。
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Research Products
(2 results)