2014 Fiscal Year Annual Research Report
架橋ヘテロ原子化合物の構築を基盤とする革新的アルカロイド不斉合成法の開拓
Project/Area Number |
24550116
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
菅 博幸 信州大学, 学術研究院工学系, 教授 (60211299)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 付加環化 / ジアゾ化合物 / キラルルイス酸 / エナンチオ選択性 / 生理活性 / カルボニルイリド / アゾメチンイリド |
Outline of Annual Research Achievements |
ジアゾイミン誘導体を環状アゾメチンイリド前駆体とする8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン骨格の不斉合成に関するテーマでは,2-(2-ジアゾアセチル)ベンズアルデヒドO-メチルオキシムをジアゾ基質とする2-アクリロイル-3-ピラゾリジノン誘導体との反応において,(R)-ビナフチルジアミン誘導体とトリフルオロメタンスルホン酸銅(II)から調製した錯体(20 mol%)を触媒として,反応の再現性を確立し,収率82-92%,エナンチオマー過剰率97->99% eeでexo-体のみが選択的に得られることを明らかにした.また, 2-ジアゾ-1-[2-(4,5-ジヒドロイソオキサゾール-3-イル)フェニル]エタノン誘導体を前駆体とする反応においては,イソオキサゾリン環上の5位のジメチル基やベンゼン環状上の4位メチル基に関する一般性の検討を行い, (R)-ビナフチルジイミン誘導体とテトラフルオロホウ酸ニッケル(II)六水和物から調製した錯体(20 mol%)を触媒として用いると,収率52-53%,エナンチオマー過剰率89-95% eeでexo-体のみが選択的に得られることを見出した.1-ジアゾ-5-フェニル-2,5-ペンタンジオン誘導体をカルボニルイリド前駆体とした5-ブロモ-1-メチルインドール親双極子剤との不斉環化反応においては,ジアゾ基質のベンゼン環状上のp-位の置換基が選択性に及ぼす効果を検討し,酢酸ロジウム(2 mol%)およびキラルなビス(オキサゾリニル)ピリジン-ルテチウムトリフラート錯体(10 mol%)を組み合わせた触媒系を用いる条件下,メチル基,エチル基,メトキシ基,およびブロモ基などを有する基質に対して,良好なexo選択性(exo:endo = 80:20-94:6)並びに高エナンチオ選択性(85->98%)で付加環化体が得られることを明らかにした.
|