2012 Fiscal Year Research-status Report
3次元LSI配線に向けた金属/ポリマー導電体におけるナノ粒子の役割
Project/Area Number |
24550218
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
川喜多 仁 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, 研究員 (50296745)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 導電機能素子 |
Research Abstract |
研究の全体構想は次世代3 次元LSI における縦型・微細な導電配線を実現することである。申請者は光アシスト効果を用いて溶液中から新奇な金属/導電性ポリマー複合体を創出し、先行技術の10 倍以上の速さで導電配線を形成できることを見出した。課題はさらなる低抵抗化のための材料原理の確立である。研究の目的は、金属の存在状態(含有率、サイズ、形状)と導電率との関係を解明することである。学術的特色は、金属ナノ粒子を利用することで、金属/ポリマー複合体の導電性に関する新たな複合則を提案することである。期待される結果として、現状の数時間かかる導電配線の形成が数分まで短縮され、次世代3次元LSI の生産効率が大きく向上する。 当該年度では、主として金属/導電性ポリマーの作製を以下の通り行った。 有機ポリマーを化学重合により得るための反応前駆体(有機モノマー)としてピロール、有機ポリマーに導電性を付与するためのドーピングアニオン(BF4-およびNO3-)、金属として析出させるカチオンとして銀イオン(Ag+)を使用し、溶媒であるアセトニトリル等に溶解させた。基板にはガラスを用い、溶液に浸漬させた。反応系に対し、高圧水銀ランプを用いて紫外光の照射を行った。所定の時間、反応を行った後、基板とともに生成物を溶液より取り出し、乾燥させた。なお、溶液中の有機モノマーと金属カチオンとの比を変えることで、形成する金属/導電性ポリマーにおける金属の存在状態(含有率、サイズ、形状)を変えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究の目的は、金属/導電性ポリマーにおける金属の存在状態(含有率、サイズ、形状)と導電率との関係を解明することである。この研究目的を達成するため、当該年度は有機モノマー、ドーピングアニオン、金属カチオンを含む溶液に基板を浸漬させ、光照射を行 うことで金属/導電性ポリマーを作製した。 なお、金属/導電性ポリマーを作製する際、反応系に照射する光だけでなく、印加する熱を独立に可変制御するシステムを作ることができた。これにより、生成する金属/導電性ポリマーにおける金属の存在状態(含有率、サイズ、形状)をより精密に制御することが可能となった。 以上より、研究の目的の達成度について、当初の計画以上に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の推進方策について、導電率の算出および金属の存在状態(含有率、サイズ、形状)の評価を行う。 前者については、4 探針法による抵抗測定および膜厚測定を行い、後者については、SEM による観察やEDS による元素分析を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
消耗品(550千円):抵抗測定交換用プローブ、抵抗測定用ジグ、試薬、ガラス器具等 旅費(500千円):研究成果発表に伴う外国出張 人件費・謝金(350千円):実験補助 その他(100千円):論文投稿、通信費等
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Research Products
(24 results)