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2013 Fiscal Year Research-status Report

骨軟骨再生のための圧電粒子添加ナノファイバースキャホールドの開発

Research Project

Project/Area Number 24560114
Research InstitutionDoshisha University

Principal Investigator

森田 有亮  同志社大学, 生命医科学部, 教授 (80368141)

Keywords骨軟骨再生 / スキャホールド / ナノファイバー / 圧電材料 / エレクトロスピニング
Research Abstract

ポリ乳酸(PLLA)に圧電粒子としてチタン酸バリウム(BTO)のナノ粒子を添加した溶液を用いて,圧電粒子添加ナノファイバーシートの作製技術の開発を行った.PLLA/BTO比率は,重量比率で16/1,6/1とした.ナノファイバーの作製にはエレクトロスピニング装置を用いた.SEM観察よりファイバーの繊維径は700nm程度であり,PLLA/BTOナノファイバー表面はいずれも滑らかであった.TEM観察よりBTO粒子がファイバー内部に均一に分布していることが確認された.走査型プローブ顕微鏡によりわずかであったが圧電粒子によりファイバー表面に電位が生じていることが示された.作製したBTO粒子添加ナノファイバーシート上で骨芽細胞様細胞を培養することで,作製したシートを用いて細胞培養が可能であることが確認された.
培養細胞の壊死を防ぐ栄養供給路の確保を目的とし,圧電材料を添加せずに多孔質構造を有するPLLAファイバーの創製技術の開発を行った.相分離により多孔質構造を有するファイバーを作製するため,PLLAおよびpolyethylene oxide(PEO)を1,3-dioxolaneに溶解させてPLLA/PEO溶液を作製した.SEM観察より,溶液濃度6 w/v%,PLLA/PEO比率95/5,溶液濃度4,6および8 w/v%,PLLA/PEO比率85/15および90/10の条件で作製したファイバーは多孔質構造を有していた.多孔質構造によるファイバーの栄養供給能を評価するためファイバーの保水率測定を行い,保水率が最も良好となる最適紡糸条件として溶液濃度6 w/v%,PLLA/PEO比率90/10が得られた.多孔質ファイバーの保水率は中実構造ファイバーより有意に高くなり,多孔質構造を有するファイバーはより多くの培養液の拡散を可能とし,培養細胞の壊死の軽減が期待できることが示唆された.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

今年度の実施計画としては,チタン酸バリウム粒子添加PLLAナノファイバーの特性の向上とスキャホールド化を進めることであった.チタン酸バリウムを添加したPLLAファイバーの繊維径はナノオーダーとなり,ナノファイバー内にチタン酸バリウム粒子が均一に分布していることが確認できた.また,わずかであるがファイバー表面の電位が確認された.エレクトロスピニングによる圧電粒子PLLAナノファイバーシートの作製に成功し,骨芽細胞様細胞を用いて作製したファイバーでの培養が可能であることも確認された.
圧電粒子添加PLLAナノファイバーシートの作製と並行して,スキャホールドとしての機能向上として内部細胞の壊死を抑制する目的で,相分離を応用したファイバーの多孔質化を試みた.polyethylene oxideを用いることで,ナノファイバー内に細孔の形成が確認された.また,細孔無のナノファイバーと比較して細孔有のナノファイバーの保水性が大きく向上することが確認された.
以上より,概ね順調に進展していると評価できる.

Strategy for Future Research Activity

次年度は,添加したチタン酸バリウムのファイバー表面電位への効果をさらに高めるため,粒子添加密度の検討やファイバー表面近傍の粒子密度を向上させるような紡糸技術の開発を進める.スキャホールドとして播種細胞が良好に侵入し,また細胞の分布がスキャホールド内で均一になるようにファイバー間の制御を行い,階層構造の付与や繊維密度の調整のようにより効率的に細胞播種が可能なスキャホールド構造の創製技術の開発を行う.
さらに圧電粒子添加PLAナノファイバースキャホールドの骨形成および軟骨再生の効果を評価するために,作製したスキャホールドに骨芽細胞様細胞や軟骨細胞を播種し,培養した各々の細胞の骨分化や細胞外基質産生に及ぼす圧電粒子の影響について評価する.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

当初予定していたエレクトロスピニング装置の改良が小規模で完了したため,装置の改造に必要な消耗品代が安価で抑えられた.また,圧電粒子添加PLLAの創製技術の検討も紡糸条件が絞り込まれたため,紡糸したファイバーの特性評価が多くなることでファイバー作製に必要な原材料費などの消費が少なくなった.
PLLAナノファイバーの作製に必要な原材料・薬品類の購入,エレクトロスピニング装置の改良に必要な材料の購入・部品加工に使用する.また,細胞を用いての評価のため,細胞を採取するための動物の購入,培養関連の消耗品および生化学分析用試薬の購入に使用する.

  • Research Products

    (1 results)

All 2014

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] エレクトロスピニング法による多孔質構造を有する組織再生用PLLA ファイバースキャホールドの開発2014

    • Author(s)
      成定涼介,森田有亮,南元一希,仲町英治
    • Organizer
      日本機械学会 関西学生会平成25年度学生員卒業研究発表講演会
    • Place of Presentation
      大阪府立大学
    • Year and Date
      20140317-20140317

URL: 

Published: 2015-05-28  

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