2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25461885
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
廣川 直樹 札幌医科大学, 医学部, 講師 (30404718)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇佐見 陽子 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (20572530)
斉藤 正人 札幌医科大学, 医学部, 助教 (70551109)
奥田 洋輝 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (40753140)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 末梢動脈瘤 / 塞栓術 / インターベンショナルラジオロジー / IVR |
Outline of Annual Research Achievements |
大きく不定形が多い末梢領域動脈瘤に対する標準化されたコイル塞栓術の報告はない。我々は器質化コイルと毛付コイルの併用が、低い塞栓率(VER)においても再発がない治療となり得る可能性を考えている。【生物学的研究】ブタ動物実験にて16個の動脈瘤をコイル塞栓した。瘤頸部に形成された内膜はベアコイル単独群に比し器質化コイル/毛付コイル混合群で有意に肥厚した。線維化面積率は3群間で有意な相違はなかった。多核巨細胞浸潤部の面積率は器質化コイル単独群およびベアコイル単独群に比し、器質化/毛付混合群で多く認められた。【臨床的研究】3次元ベア+器質化+毛付の3種コイル併用塞栓において、VERが11.7%と低値にかかわらず、中央値1年の観察期間で13病変全例に再発がなかった。【物理学的研究】血圧実効値120台/70台で設定された循環モデルに造設された血管モデルに、大きさが20ミリで広頚の2個のモデル瘤(親血管との角度が平坦;1個、急峻;1個)を形成し、親血管を温存させベアコイル単独で塞栓した。頸部角平坦瘤では直後に親血管内へのループ逸脱が見られたが、急峻瘤は数時間後に多少のループ逸脱を生じた後に安定した。【総括】我々の戦略的塞栓は妥当と考えられた。臨床的塞栓効果が良好な理由として、物理学的/生物学的形状保持性、内皮形成性、瘤内線維化もしくは器質化があいまって再発防止に寄与している可能性がある。物理実験では超早期のコイル形状保持性はあるが、早期・晩期の土台としては弱く、瘤内安定性と再発防止には、コイルの物理学的強度の他に、線維化促進と線維化以外の反応性組織で土台を形成することと推察している。今後の研究として、末梢領域には一般的に使用される安価な毛付コイルの利点により一層着目し、ベアコイルや器質化コイルに対する毛付コイルの生物学的反応と物理強度を追及する予定。
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Research Products
(1 results)