2013 Fiscal Year Research-status Report
HSP90シャペロン機能発現に関わる新たな細胞質内脱アセチル化酵素の活性制御機構
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25860965
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
石川 雄一 岩手医科大学, 医学部, 助教 (20633142)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 皮膚腫瘍学 / HSP90 / CYLD / ERBB2 / HSF1 |
Research Abstract |
熱ショックタンパク質90 (HSP90)は,ERBB2,AKT,RAF,BCR-ABLおよび変異型p53など腫瘍形成性シグナルタンパク質のコンホメーションの成熟に重要な役割を果たす分子シャペロンである.本研究では,①HSP90のシャペロン機能に重要な役割を担う,細胞質内脱アセチル化酵素HDAC6の機能発現系に,NACC1 (nucleus accumbens associated 1)によるCYLD (cylindromatosis)遺伝子産物の転写抑制が関与している事を明らかにする.更にHSP90のクライアント蛋白質であるheat shock factor 1 (HSF1),ERBB2に着目して,腫瘍細胞の生物学的特性との関連を検討する. NACC1はHSP90の脱アセチル化に関して、HDAC6のアダプター蛋白となっていた。NACC1の発現抑制によりHSP90のhyperacetylationが誘導された。siRNAによる発現抑制はERBB2の過剰発現につながり、乳癌細胞株ではERBB2の過剰発現を誘導した。一方、HSF1に関しては有意な変化は認められなかった。両分子の発現動態の違いを探求する目的で、悪性黒色腫の細胞株を中心にsiRNAによる発現変動パネルの作成を行い、共通の経路を見いだす試みを開始した。 上記とは別にCYLDによるHDAC6の機能抑制は、cyclinD1の発現を誘導し細胞増殖能を低下させた。細胞運動能は逆に低下し、RAC1のリン酸化状態に変化が見られたため、運動能に対する分子経路の解析を行い、論文作成へ向けて詰めの実験を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
NACC1の発現抑制によるERBB2の過剰発現がHSP90のアセチル化制御によることを明らかにした。既に論文を投稿し、別経路の研究を展開している。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞運動能の低下に関する、RAC1のリン酸化状態に変化が見られたため、この経路の詳細な分子解析を展開している。既に論文作成の詰めの段階に入っている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
試薬の価格の変動等で若干(1,100円)の差額が生じた。 次年度以降の消耗品費として使用予定である。
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