2014 Fiscal Year Annual Research Report
HSP90シャペロン機能発現に関わる新たな細胞質内脱アセチル化酵素の活性制御機構
Project/Area Number |
25860965
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
石川 雄一 岩手医科大学, 医学部, 助教 (20633142)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | NACC1 / HSF1 / HSP90 / CYLD |
Outline of Annual Research Achievements |
熱ショックタンパク質90 (HSP90)は,ERBB2,AKT,RAF,BCR-ABLおよび変異型p53など腫瘍形成性シグナルタンパク質のコンホメーションの成熟に重要な役割を果たす分子シャペロンである.本研究では,①HSP90のシャペロン機能に重要な役割を担う,細胞質内脱アセチル化酵素HDAC6の機能発現系に,NACC1 (nucleus accumbens associated 1)によるCYLD (cylindromatosis)遺伝子産物の転写抑制が関与している事を明らかにする.更にHSP90のクライアント蛋白質であるheat shock factor 1 (HSF1),ERBB2に着目して,腫瘍細胞の生物学的特性との関連を検討する. 平成26年度は,CYLD蛋白の転写制御にNACC1は関与していなかったが,HSFならびにERBB2のアセチル化制御に大きな影響を与えていた.この結果には,C末のリジン残基のアセチル化/メチル化のスイッチングが重要である事が明らかとなり,その機構を明らかにした.現在論文を投稿中であり,mimic typeのmutationによる追加実験を求められている.さらに,悪性黒色腫ばかりで無く,乳癌の培養細胞株でのでのデータ,ならびにtrastumabに対する反応性評価も求められており,現在検討中である. 現在論文の公表には残念ながら至っていないが,HSP90は,NACC1の作用によりHSF1の下流で作用すると供に,それ自身のアセチル化制御を受ける事でストレス時の作用を増強させていることが明らかとなった.
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