2014 Fiscal Year Annual Research Report
歯根膜由来血管内皮細胞前駆細胞を利用した血管新生促進技術の確立と矯正治療への応用
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25893220
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
吉田 茉莉子 岩手医科大学, 歯学部, 研究員 (80711217)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 歯根膜 / 機械的応力 / シグナル伝達 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯科矯正治療による歯の移動時の歯根膜周囲組織のリモデリングを担う間葉系幹細胞などの組織形成性細胞や破骨前駆細胞などの組織吸収性細胞が、骨髄から血流を介して歯根膜周囲組織に効率良く供給されるためには、歯根膜周囲での血管新生が必要である。本研究では、牽引や圧迫刺激が歯根膜由来の血管内皮前駆細胞(EPC)の血管新生能力を活性化するために働くキー遺伝子を同定するために各調査を実施した。昨年度より開始しているI型コラーゲン塗布磁気ビーズを用いた牽引刺激による血管構成細胞マーカー遺伝子発現変化パターンの特徴について調査を進めた。興味深いことに、牽引刺激による血管周皮細胞への分化マーカーであるalpha-smooth muscle actin (α-SMA)の発現の上昇に伴い、血管内皮細胞への分化マーカーであるTie-2の発現の低下が観察され、歯根膜由来EPCの各血管構成細胞への分化がメカニカルストレスにより制御されることが強く示唆された。現在、その他の血管周皮細胞マーカーや血管内皮細胞マーカー遺伝子の発現パターンの変化についても幅広く調査を進めているが、その他の細胞分化マーカーの発現が必ずしもα-SMAやTie-2と同様な発現変化をしない場合があることから、牽引刺激の作用強度や作用時間についての条件設定を変えながら安定した結果が得られるように調整中である。一方、圧迫刺激を加える系でも血管構成細胞マーカー遺伝子の発現調査を試みたところ、牽引刺激とは異なり血管周皮細胞マーカーの発現低下とともに、血管内皮細胞マーカーの発現上昇が認められた。このように、圧迫刺激における血管構成細胞分化調節機構の発現が再現性良く認められる傾向にあることがわかり、今後のEPCの血管新生能力を活性化するために働くキー遺伝子を同定するために用いる実験系としては、まずは圧迫刺激モデルが適していることを明らかとした。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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