2015 Fiscal Year Annual Research Report
関係論的な行為方略を備えるロボットとその関係発達プロセスに関する研究
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26280102
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
岡田 美智男 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50374096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Ravindra S.De Si 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20449490)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 関係論的なロボット / 弱いロボット / ゴミ箱ロボット / 発話生成 / 説得性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、他者のアシストを上手に引き出しながら、合目的的な行為を遂行する関係論的な行為方略を備えたロボット(=関係論的なロボット)の概念を多様な領域に展開し、そのプロトタイプを構築すること、そしてこれらの研究プラットフォームにより、(a)どのような条件下で他者のアシストを引き出せるのか、(b)その間でどのようなコミュニケーションが生じるのか、(c)人とロボットとの関係発達の様相はどのようなものかを構成的に明らかにすることである。 本年度の主な成果は次のとおりである。 (1) 関係論的なロボットとその応用に関して、多くの分野(認知症ケア、福祉機器、メディアデザイン、情報アーキテクチャ、情報通信など)において講演や展示活動を行った。また、『人間生活工学』『心理学ワールド』『教育』などの雑誌に解説論文として寄稿した。書籍『今後の高齢化社会に求められる生活支援(福祉・介護・リハビリ)ロボット技術』の一部に寄稿し、出版した。(2) 他者のアシストを引き出しながらゴミを拾い集める〈ゴミ箱ロボット〉について、インディアナ大学の研究グループと共同で、ロボットに対する人の振る舞いやアシスト行動の日米での文化差比較に関するフィールドワークを行い、その結果を国際会議で発表した。(3)聞き手をリソースとして発話生成を行うロボット〈トーキング・アリー〉の説得性に関する効果について国際会議で発表し、Roman2015 Best Paper Award Finalistを受賞した。また、ジャーナル論文として投稿し、採録された。(4) おぼつかなさを伴う倒立振子型ロボット〈ペラット〉のデモ発表を行い、HAI2014 Impressive Poster Awardを受賞した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
〈ゴミ箱ロボット〉、〈トーキング・アリー〉、〈ペラット〉などの複数の関係論的なロボットを使用して、(a)どのような条件下で他者のアシストを引き出せるのか、(b)その間でどのようなコミュニケーションが生じるのかに関する知見が整理されており、ジャーナル論文への掲載、国際会議での発表などが積極的に進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の関係論的なロボットと人とが相互の志向性を共有する中で、どのようなコミュニケーションが生じるかを構成的に明らかにするとともに、そのコミュニケーションを支える調整機構を構築する。
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Causes of Carryover |
おおむね計画通りに使用しており、次年度の計画変更はない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
計画通りに進めたい。
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