2014 Fiscal Year Research-status Report
ハーブ・香辛料処理による食品中有害アミンの増加抑制についての研究
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26350101
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
新田 陽子 岡山県立大学, 保健福祉学部, 准教授 (70403318)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ヒスタミン / 食中毒 / セロトニン |
Outline of Annual Research Achievements |
食品から過剰に摂取すると有害とされる、生理活性アミンのヒスタミンとセロトニンについて、ハーブや香辛料を下処理に用いることによって赤身魚中の生理活性アミンの生成を抑制するための検討を行うために、平成26年度は赤身魚中の有害アミンを増加させている主要微生物である、モルガン菌についてその菌由来のヒスタミン合成酵素(HDC)を大量に得て精製品を用意することを目的とした。モルガン菌については、研究協力者である兵庫県立大学の北元憲利教授より提供を受け、モルガン菌由来HDCのアミノ酸配列はゲノム情報を提供するインターネットサイト上に掲載されており、そのアミノ酸配列を増幅するようにプライマーを設計した。モルガン菌よりゲノムを取り出し、PCRによって増幅したPCR産物をプラスミドに取り込み、発現用プラスミドを作成し、大腸菌の形質転換を行った。精製を容易にするため得られるタンパク質にはヒスチジンタグもしくはGSTタグをつけ、常法に従い大腸菌の培養、発現、精製を行った。その結果酵素活性を有する精製酵素をmg単位で得ることができた。精製した酵素の至適pHや各pHでのKm値は、過去に報告されているモルガン菌から精製したHDCの値とほぼ一致していた。今回得た酵素を用いてモルガン菌HDCの活性を阻害する成分の探索が可能であると考えられ、まずはヒトHDCの活性を阻害する食品成分について検討したところ、ヒトHDCと同様に酵素活性を阻害することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
モルガン菌由来HDCの発現系の構築にもっと時間を要すると考えていたが、検討項目が最小限で済み、早い段階で精製酵素を得ることができ、最終年度に予定していた阻害成分との相互作用を見ることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
モルガン菌HDCの活性を阻害する成分をさらに検討する。赤身魚中のヒスタミン量が、モルガン菌HDCの活性を阻害する成分によって抑制されるかどうかを検討する。また赤身魚中のセロトニン量についてELISA等を用いて検討する。
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Causes of Carryover |
試料を保管するディープフリーザーが急きょ必要になったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ディープフリーザーの購入と、進展している実験用の試薬購入にあてる。
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